2008年2月22日金曜日

グアテマラ便り(Una carta desde Guatemala)


写真:実松克義撮影


こんにちわ。ラテンアメリカ研究所所員の実松です。

グアテマラに来て、マヤ文化の中心地、ケツァルテナンゴを訪れました。

ケツァルの土地という意味で、スペイン人征服者とともにやってきたメキシコ人が名付けたものです。(ナワトル語)オリジナルな名前はシェ・ラフフ・(ノッホ)と言います。マヤ・キチェー語で「10の(叡智の)下で」という意味です。通称シェラと呼ばれています。

ケツァルテナンゴに滞在中、2月3日の日曜日に、近くにあるサン・ファンというマヤ・マム族の村を訪れました。行ってみると、その日は「ビルヘン・デ・カンデラリア」という村祭りの最中でした。

写真はその祭りの最大の出し物、「仮面の踊り」の様子です。

マヤ・マム族はマヤ・キチェー族の次に大きなグループで、非常に古い歴史を持っています。マムとは老人、古いもの、という意味です。マヤ・カレンダーの「歳神」をも意味します。ケツァルテナンゴの近くの小村の祭りですが、仮面の踊りは現代マヤ文化の複雑なシンクレティズムを表しています。神話上の人物、動物等のマヤ文化本来の仮面もありますが、それに混じって西欧人の仮面がたくさん登場します。

グアテマラ・マヤ民族は1524年、スペイン人、ペドロ・デ・アルバラードによって征服されます。その後のキリスト教による支配、そういううっ屈した心性が仮面の踊りの伝統になったのだと思います。

ビルヘン・デ・カンデラリアの祭りにはたくさんの蝋燭を燃やし、また建物が壊れるぐらいの爆竹を鳴らしますが、ヨーロッパのカトリックとは違うでしょうね。キリスト教はここでは完全に土着化しています。マヤ人にとっては表層的な存在です。敬虔なクリスチャンであっても、一皮むけば生粋のマヤ人です。以前に会ったカトリックの神父が嘆いていましたが。

グアテマラより    ラテンアメリカ研究所所員、実松