2025年4月25日金曜日

ジャン・グレミヨン&ジャック・ベッケル特集 2025/05/31 ~ 2025/06/20@シネマヴェーラ

〇 ジャン・グレミヨン Jean Grémillon(1902 - 1959)

シネマテーク・フランセーズの館長を務めたが(1943~58)、その評価は遅れ、呪われた映画作家として知られる。ヌーヴェル・ヴァーグのゆりかごと言われるコクトー、バザンらのシネクラブ「オブジェクティフ49」主催「呪われた映画祭」の賛同人。ゴダールが熱狂的に支持したと言われている。ごく最近「カイエ・デュ・シネマ」誌はグレミヨン特集を組んだが、「1950年代の『カイエ』はなぜグレミヨンを無視したのか」というインタビューで、ジャン・ドゥーシェは当時を振り返り、グレミヨンがルノワールと並ぶ最も偉大な映画作家であることは自明だったが、「ラ・ルヴュ・デュ・シネマ」誌が盛んに擁護していたためグレミヨンを忘れてしまったと語っている。

〇 ジャック・ベッケル Jacques Becker(1906 - 1960)

ルノワールと少年時代から親交があり30年代に彼の助監督を務めたベッケルをトリュフォーは映画作家として擁護し、ベッケルもヌーヴェル・ヴァーグの作家たちと交流が深かった。ゴダールは追悼文で“ジャック兄”と呼びかけ「フランス映画を撮るのに真にフランス式であり続けたのはジャック・ベッケルただ1人だけだった。」との賛辞を捧げた。


『番兵、気をつけろ! ¡Centinela, Alerta!(74分/デジタル)』
上映スケジュール:5/5 14:50、5/8 11:00、5/17 12:45、5/20 20:35
公開:1937年
監督:ジャン・グレミヨン、ルイス・ブニュエル
出演:アナ・マリーア・クストディオ、アンジェリーオ、ルイス・エレディア、パブロ・ヒダルゴ

クズ男の子供を産んだカンデラスを助けたのは2人の兵隊。やがて歌の上手い兵隊のアンヘリーリョは歌手になり彼女に店を持たせるが、そこへ食い詰めたクズ男が現れ…。もう一人の兵隊で靴磨きになるティブルシオのキャラが最高に楽しい。グレミヨンとブニュエルの共同監督作品で、ナンバーはスペイン的だが演出はハリウッド的な心温まるミュージカル。

他、上映予定作品 全21本