2025年8月29日金曜日

トークイベント「彼女たちのラテンアメリカ文学」9/12(金)@UNITÉ三鷹

ラテンアメリカ研究所研究員の洲崎圭子氏が登壇します。奮ってご参加ください。

  • タイトル:「彼女たちのラテンアメリカ文学」
  • 登壇者:洲崎圭子、江口佳子
  • 場所:UNITÉ三鷹
  • 日時:9/12(金)19:30-21:00
  • 来店参加:¥1,980 税込/オンライン参加:¥1,320 税込   


『日本から考えるラテンアメリカとフェミニズム』は、昨夏開催のシンポジウムを元に、文学や地域研究などの専門家によるコラムを加えたブックレットで、同テーマでは他に類書のない一冊です。

先住民文化、カトリック文化圏、大きな貧富の差、軍政や独裁など弾圧を経験してきたラテンアメリカの国々では、家父長制や男性優位の価値観“マチスモ”が根強く残っています。そんな中で困難な立場に置かれた女性たちがフェミニズムの思想や運動を粘り強く展開してきたことは、欧米からのフェミニズム受容が中心の日本では、あまり知られてきませんでした。ですが、例えばメキシコでは、女性の国会議員率は限りなく50%に近く、ジェンダーギャップ指数の順位も20位台と、日本のそれとは比較にならないくらい女性が活躍しています。

また、ガルシア=マルケス、バルガス=リョサ、コルタサル、フエンテスといった1970年代のラテンアメリカ文学ブームを牽引した作家は主に白人男性で、それらの作品は男性中心の世界観で描かれています。マリアーナ・エンリケス、サマンタ・シュウェブリンなど、日本で紹介される女性作家も近年ようやく増えてきましたが、まだまだ認知度が低いのが現状です。ラテンアメリカの社会状況、フェミニズムを踏まえて描かれた文学作品は英語圏では高く評価されており、邦訳が待たれる作品も数多くあります。

そこで今回の対談は、同書の編者、洲崎圭子さんと、執筆者のおひとりである江口佳子さんに「彼女たちのラテンアメリカ文学」と題してお話しいただきます。今、ラテンアメリカ文学をフェミニズムの視点で読み直すこと、そして文学を通してラテンアメリカの現在を知ることは、日本の私たちにとってどんな意義があるのでしょうか。ぜひご参加ください。

【登壇者プロフィール】

洲崎圭子(すさき・けいこ)

お茶の水女子大学研究協力員。大学非常勤講師。博士(人文科学)。20年近くつとめた地方公務員を辞めた後に住んだメキシコで出産。マッチョがひしめきあっている国というのは思い込みで、女性が多く活躍していることに驚いたことから帰国後に研究をスタートした。ニューヨーク、サンパウロにも居住。単著に『《産まない女》に夜明けはこない―ロサリオ・カステリャノス研究』(世織書房、2021)、共著に『ジェンダー事典』(丸善、2024)、『ラテンアメリカ文学を旅する58章』(明石書店、2024)ほか。


江口佳子(えぐち・よしこ)

常葉大学教員。陽気で開放的と評される中南米に居住し(メキシコとブラジル)、植民地統治、家父長制、軍政の歴史がもたらした文化・思考への影響を知る。ブラジルから帰国後、30代半ばに大学院でブラジル文学を専攻し、女性の生き方や社会的問題を問いかける女性作家の作品を中心に研究している。訳書にフーベン・フォンセッカ『あけましておめでとう』(2018)、リジア・ファグンジス・テーリス『三人の女たち』(2022)、イタマール・ヴィエイラ・ジュニオール『曲がった鋤』(2022、共訳者 武田千香、ともに水声社)がある。