2026年9月1日火曜日

映画『種なき土地』『忘れられた人々』@シネマヴェーラ渋谷



『種なき土地』

文明が美しく発展したヨーロッパの都市の、わずか100キロわきに、原始のままの生存闘争を刻々つづけ、残酷な日々を生きる人々の村がある。栄養失調のため不自由な身体の人々、ただ死を待つのみの人々と、直視しえない光景。死と背中あわせの日常。そこで聖者に救いを求める人々、だが、その人々こそ聖者のようだ。製作はラモン・アシン、監督・脚本・編集は「自由の幻想」のルイス・ブニュエル、撮影はエリ・ロタール、コメンタリーはピエール・ユニク、フリオ・アシン、朗読はアベル・ジャッカンが各々担当。ブラームスの「第四交響曲」が挿入されている。フランス語題名はTerre Sans Pain


『忘れられた人々』

「アンダルシアの犬」「黄金時代」などで知られるシュルレアリスム映画の巨匠ルイス・ブニュエルのメキシコ時代を代表する作品。悪行に手を染める少年たちの生態を描き、1951年・第4回カンヌ国際映画祭で監督賞を受賞した。大都会メキシコシティのスラム街。感化院を脱走した少年ハイボは、街の不良少年たちのボスに返り咲く。ハイボは自分が感化院に送られたのはジュリアンの密告のせいだと知り、密かに復讐を誓う。ハイボ率いる不良少年たちは盲目の音楽師を襲ったり盗みを働いたりと悪行を繰り返し、仲間の1人であるペドロは罪悪感に苛まれるが……。2003年にはユネスコの「世界の記憶」に登録された。


2本立て上映
上映期間:9/27(日)18:15~、30(水)11:00~、
     10/7(水)14:55~、8(木)19:40~

ウカウマ集団全作品 連続上映会 2026-2027

 


 東京都小平市の学園坂スタジオが、1960年代から現在まで約60年にわたって映像制作を続ける「ボリビア・ウカマウ集団」の全映画作品(14作品)の連続上映会を、今年7月から来年にかけて開催する。

 上映にあたって学園坂スタジオは、「2026年現在、欲望のままに覇権を強めようとする米国の、いまもなお根強く残る植民地主義をどのように乗り越えていくのか。もはや地球規模と言ってもいい私たちの課題に、ラテンアメリカ先住民の生き様を描き続けたウカマウ映画が示唆することは極めて大きいといえます」と訴えている。
 

■7月4日(土)
①13時30分~
 『革命』(1962年・白黒・10分) ありのままの画像・音楽・音を用いて、ボリビア民衆の貧窮の実態を示す第一作短編。

  『ウカマウ』(1966年・白黒・75分) ティティカカ湖上の太陽の島に住むインディオ農民の妻が、メスティーソの仲買人に暴行され、殺された。長い時間をかけての復讐を誓った青年の前途は? この初の長編映画が大きな評判を得て、タイトルが集団名として採用された。

②15時15分~
  『落盤』(1965年・白黒・20分) 掘り尽くしたと見なして鉱山企業が見捨てた危険な場所で採石する鉱夫たちを描く。

  『コンドルの血』(1969年・白黒・75分) アンデスの一寒村に医療チームを名乗ってやってきた北米人たちは、診療所で何をしていたのか? 現実の出来事を題材に、先住民女性に対する強制的な不妊化手術の実態を描く。北米「平和部隊」の国外追放を実現した話題作。

■9月5日(土)
①13時30分~
  『人民の勇気』(1971年・白黒・93分) 1967年6月24日、チェ・ゲバラ指揮下のゲリラの連帯を計画していた鉱山労働者の住宅区を政府軍が攻撃、多数が殺された。現場に居合わせた人びとの証言を通して再構成される歴史的事実。「史上もっとも力強い映画」と評価された。

②15時15分~
  『第一の敵』(1974年・白黒・98分) 都市からやってきたゲリラと貧農の出会いから、反地主・反帝国主義の共同闘争の過程を描く。1980年に日本で最初に紹介されたウカマウ集団の作品で、この映画が高い評価を得て、その後45年続く自主上映・共同制作の基盤をつくった。

■11月7日(土)
①13時30分~
  『ここから出ていけ!』(1977年・白黒・102分) アンデスの先住民村に現れた北米人宣教師の、真の意図は? 村人の間に生じた精神的な亀裂につけ込んで、鉱物資源開発を目指して入り込む多国籍企業。先住民居住区にある資源は誰のものなのかを問う、先駆的な問題提起の映画。

②15時20分~
  『ただひとつの拳のごとく』(1983年・カラー・92分) 1970年代の10年間を支配した軍事政権は、80年代初頭のどんな民衆運動によって打倒されたのか。今まさに胎動している民衆運動を内部から描いた、ウカマウ集団はじめてのドキュメンタリー作品は、群集シーンの力強さが印象的だ。

■上映会場
 学園坂スタジオ東館A(東京都小平市学園東町1-7-41 ナカムラビル3階)

■入場料 各回1000円(要予約)

 電話での予約は、042-202-0423
メール予約は、gakuen.zaka.studio@gmail.com

詳細は学園坂出版局HP https://www.gakuenzaka-press.com/screenshow

 各上映日の②の終映後、『ボリビア・ウカマウ映画伴走50年』などの著書がある太田昌国氏のトークが予定されている。


映画 下高井戸シネマ上映スケジュール

 下高井戸シネマ公式サイト


『エリス&トムーボサノヴァ名盤誕生秘話ー』

上映期間:8/29(土)〜9/4(金) 18:30~(終20:15)

2022年/ブラジル/1h40
監督:ホべルト・ヂ・オリヴェイラ、ジョム・トブ・アズレイ
出演:エリス・レジーナ、アントニオ・カルロス・ジョビン
ブラジルの歌姫エリス・レジーナとアントニオ・カルロス・ジョビンが作り上げた音楽史に輝くボサノヴァの名盤「Elis&Tom」の制作の舞台裏に迫るドキュメント。



『きっと青春大革命!カルラ8年の記録』

上映期間:10/10(土)~16(金) 20:35~(終22:04)

モロディスト・キーウ国際映画祭 最優秀ドキュメンタリー賞
2025年/メキシコ・独/1h24/日・英字幕付き
監督:カニ・ラプエルタ
トランスジェンダーの小学生がティーンへと成長していく8年間。当事者でもある監督が心の内を分かち合いながら交換日記のように紡いだドキュメンタリー。



『よき谷の物語』

上映期間:10/3(土)、5(月)、7(水)、9(金)14:50~(終16:57)
10/4(日)、6(火)、8(木)16:30~(終18:37)

監督・脚本・編集:ホセ・ルイス・ゲリン
撮影:アリシア・アルミニャーナ
原題:HISTORIAS DEL BUEN VALLE(英題:Good Valley Stories)
スペイン、フランス/122分/カラー/ヨーロピアンビスタ

スペイン、バルセロナ郊外に位置するバルボナ地区。“よき谷”と名付けられたこの場所は川や線路に囲まれ、開発から取り残された陸の孤島でありながら、大都市の近くとは思えないほどの豊かな自然に恵まれた理想郷のようでもある。ここには20世紀半ばから移り住んだ住民の家族と、最近になってやってきた新世代の移民たちが共に暮らしている。文化や生活スタイルは異なるものの、子供たちはともに川で遊び、誰もがよく食べて飲んで、歌い、踊り、ひとときの安らぎを得る。そんな都会のオアシスに、新しく鉄道増設の計画が持ち上がった。住民説明会が開かれ、一部の人々は立ち退きを迫られるが……



『シルビアのいる街で』

上映期間:10/3(土)、5(月)、7(水)、9(金)17:10~(終18:40)
10/4(日)、6(火)、8(木)14:50~(終16:20)

監督・脚本 ホセ・ルイス・ゲリン JOSÉ LUIS GUERÍN
原題:DANS LA VILLE DE SYLVIA
スペイン語題:EN LA CIUDAD DE SYLVIA
2007年/カラー/スペイン、フランス合作/85分/ 35mm/

監督自身の実体験を基に、19世紀フランスのロマン派詩人ジェラール・ド・ネルヴァルの『シルヴィー』からヒントを得て製作された本作は、6年前に愛しあった女性シルビアの面影を求めて想い出の地をさまよう画家志望の青年のオブセッションに満ちた恋物語。フランスの古都ストラスブールを舞台に、アルフレッド・ヒッチコックの『めまい』('58)を彷彿とさせるサスペンスに満ちた美女の追跡劇が緻密な音響設計と光溢れる美しい画面の連鎖で展開され、見るものをどこも知らぬ異空間へと誘ってくれます。