2008年12月25日木曜日

チェ・ゲバラ試写会


(C)Guerrilla Films, LLC-Telecinco Cinema, S.A.U. All Rights Reserved.

1月9日(金)17日(土)、ギャガコミュニケーションのご協力をいただき、チェ・ゲバラ2部作の映画試写会を行います。本日は一足先に試写会に行ってきました。

映画とかストーリーよりも、チェ、その人に触れる時間の流れに身を置くような感じを受けました。チェたちは、シエラマエストラ山中にいるのだけれど、私は見えない人間になってそこに一緒にいるような、そんなひとときを過ごしました。

ギャガコミュニケーションズは、「チェゲバラを知らない若者たちに見てほしい」との願いを込めて、この試写会を提供してくれました。キューバ革命やチェ・ゲバラを知らない世代は、先入観なしに彼の人となりに触れてどう思うのでしょうか?

2008年12月24日水曜日

¡Feliz Navidad y Feliz Año Nuevo!


クリスマスおめでとうこざいます。

立教大学キャンパスも冬休みを迎え、移動掲示板も撤去されて、静謐なクリスマスの日を迎えました。

キリストの誕生を指折り数えて待ちわびる待降節を経て、この日の夕方、降誕節に入ります。日没以降が新しい暦の始まりなのです。

ラテンアメリカに住んでいらした方は、この時期にキリスト教の教会に足を運ばれた方も多いのではありませんか? そんなときにひときわ目を引いたのは、いわゆるNacimiento もしくは Belenと呼ばれる、キリスト降誕の場面を再現した人形と馬小屋の飾りだったかもしれません。待降節に飾るアドベントキャンドルが毎週その本数を増やしていくように、待降節の間は、降誕の場面にキリストは存在しません。今宵、初めて幼子キリストの像が、小さなまぐさ桶のベッドに出現するのです。

どうぞ皆様も心温かな時を過ごせますように!

2008年12月6日土曜日

公開シンポジウム「過去との対話」


ポスターのダウンロードはこちら



ラテンアメリカ研究所が主催する講演会の中でも、とりわけ多くの人が参加するのが古代文明に関する講演会です。外部の講演会ですが、特に古代文明ファンにお知らせいたします。


公開シンポジウム「古代アンデス文明―過去との対話―」
■日 時: 2008年12月13日(土)14:00~16:30(13:00開場)
■会 場: 読売ホール(東京都千代田区有楽町1-11-1 読売会館7階)
■定 員: 1000名(先着順)
■入場料: 無料
■主 催:国立民族学博物館、埼玉大学、読売新聞社、アンデス考古学調査50周年記念事業実行委員会
■協 力:在日ペルー大使館、日本ペルー協会、古代アメリカ学会、アンデス文明研究会、天野博物館友の会

趣旨
1958年、東京大学によって始められたアンデスの考古学調査は、2008年に50年を迎えた。これまで1960年代に実施されたペルー北部山地のコトシュ遺跡を皮切りに、ワカロマ(1979~1989)、クントゥル・ワシ(1988~2006)といった大規模な祭祀センターを長期間にわたって調査し、アンデス文明の母体が形成された形成期(前2500~紀元前後)の社会発展を追究してきた。現在は、集大成ともいえる理論構築段階に入っており、祭祀センターの建築や増・改築活動こそが、社会変化を生み出す要因とする仮説も提示している。今回は、一線で活躍する国内外の研究者を招聘し、互いの解釈モデルをもとに、形成期社会の解明を目指すワークショップを開催する。ここでの議論は、日本人の研究の国際的位置づけを可能にすると同時に、形成期のみならず、広く古代文明形成に関わる理論構築につながることが期待される。さらに、これまでの日本人による調査の歩みを振り返り、成熟・発展を遂げた現在の研究状況や調査対象社会への成果還元のありかたを問う公開シンポジウムを併せて実施することで、一般社会への研究成果の還元を試みる予定である。

プログラム
一般公開シンポジウム「古代アンデス文明―過去との対話―」
13:00-     開 場
14:00-15:20 第1部 アンデスを掘る
進行役:井口欣也(埼玉大学准教授)
「アンデス調査50年」(大貫良夫 東京大学名誉教授)
「クントゥル・ワシでの発見」(加藤泰建 埼玉大学副学長)
「神殿からのメッセージ -パコパンパ遺跡の発掘-」(関 雄二 国立民族学博物館教授)
15:20-15:35 休 憩
15:35-16:30 第2部 座談「文明との対話」
司   会:加藤泰建
パネリスト:大貫良夫、関 雄二、青柳正規(独立行政法人国立美術館理事長、国立西洋美術館館長)楠田枝里子(司会者・エッセイスト)

2008年12月4日木曜日

師走


師走に入りました。

今年のラテンアメリカ研究所は国際会議を目指してずっと走り続けてきて、ふと立ち止まるともう12月。月曜日には点灯式が行われました。寒さに震えるオフィスで夜遅くまで働いて、それでもなんとか9時に正門が閉まる前に中庭に辿り着くと、大きなヒマラヤ杉が昔ながらの暖かな光を灯して迎えてくれます。

もう12月。ラテンアメリカ講座もカウントダウンが始まっているはずなのに、実は学期末もまた大きなイベントがありそうです。

まだ内緒なのだけれど、とても素敵なプレゼント。そして、今またプレゼントの準備に追われているのです。

2008年11月29日土曜日

立教のツリーの準備(点灯式の前に)


先週緑の銀杏をご紹介したのですが、あっという間に色が変わってゆきます。
今週の風景は正門側の銀杏の木と点灯式直前のクリスマスツリーの風景です。
銀杏はまさに散らんとする風情でありながら、その美しさをまだ保っています。
蔦の色の移ろいと黄金色の大木、そして、点灯を待っている電球たち・・・
これが立教キャンパスの晩秋なのでしょう。

今日はいつも教室に到着するのが早い講師も、キャンパスで紅葉を愛でていたようです。
同じく秋を楽しむ受講生とともに、しばし正門前で木々の輝きを楽しんでいました。

2008年11月22日土曜日

立教の銀杏(イチョウ)


東京の銀杏並木といえば神宮外苑だけれど立教大学の銀杏も美しい。立教で一番立派な銀杏はなんといってもモリス館近くの4本の大木だろう。

この木々も陽の当たり具合が違うらしく、色づきが異なっている。今朝見たところ、この写真(正門側でなく中庭側)の銀杏はまだ緑だった。もうひとつの銀杏は中はかなり黄色く、外側の緑を通して、黄色が透けて見えるほどであった。クリスマスツリーに隣接した正門側の銀杏はすでに黄色く色づいている。
この黄色が一番美しい時期を迎えると、立教大学のクリスマスツリーが点灯する。

実はクリスマスツリーにはすでに色とりどりの電球が飾られているのである。
点灯されないのは、キリスト教のカレンダーで待降節が始まるのを待っているからなのだ。
キリスト教会の暦ではキリストの誕生を待つ、この待降節が1年の始まりである。

ちまたにはどこもクリスマスツリーが見られるが、キリスト教の大学である立教では待降節を待ってツリーを飾る。ちょうど銀杏が見ごろの時期に、ツリーも点灯する。

2008年11月21日金曜日

カルロス・フエンテス80歳の祭典


Carlos Fuentes
写真出典:http://www.carlosfuentes.com.mx/main.html


寄稿: 伊高浩昭(ジャーナリスト)

 メキシコの作家カルロス・フエンテスは2008年11月11日、満80歳になった。これを記念して17日から12月3日まで同国教育省の肝煎りで記念行事が催されている。興味深いので、現地からの情報を基に以下をまとめた。

 初日17日にはメキシコ市内のチャプルテペク城で昼食会があり、ガブリエル・ガルシアマルケス(コロンビア・ノーベル文学賞)、ナディーン・ゴーディマー(南ア・ノーベル文学賞)、フアン・ゴイティソロ(スペイン)、トマスエロイ・マルティネス(亜国)、ネリダ・ピニョーン(伯国)、セルヒオ・ラミーレス(ニカラグア)、アンヘレス・マステレタ(メキシコ)、ルイスラファエル・サンチェス(プエルト・リコ)ら作家たちが出席した。またフェリーペ・カルデロン大統領、リカルド・ラゴス前チリ大統領、フェリーペ・ゴンサレス元スペイン首相ら政治家も席を並べた。文学という普遍性、国際性、メヒカニダー(メキシコ性)、政治性を示す顔ぶれだ。

 フエンテスは1928年にパナマ市で生まれたが、当時、外交官の父親が在パナマ大使館に勤務していたからだ。その後、幼年期から少年期にかけ父親の転勤先のキト、モンテビデオ、リオデジャネイロ、ワシントン、サンティアゴデチレ、ブエノスアイレスなどに住むことになる。母語であるスペイン語を忘れないためメキシコ市で大学予科に入り、49年メキシコ国立自治大学(UNAM)の法学部に進学するが、中退して英国に移る。このような経歴から、西英両語を操る作家になる。

 私が初めてフエンテスに会ったのは、封建的なメキシコ体制の変革を求めた学生運動が頂点に達した1968年のこと。ある夜、邸宅に学生運動の指導部と私たちジャーナリストを招いて、一時帰国していた駐インド大使オクタビオ・パス(作家・詩人、後のノーベル文学賞、故人)とともに、運動の在り方や戦略・戦術を縦横に語り合ったのだ。

 この学生運動は、メキシコ五輪大会開会直前の同年10月2日の「トラテロルコ虐殺事件」で終わることになる。フエンテスはその年5月の「パリ5月革命」を現地で体験し、ソ連軍が8月、チェコスロヴァキアの民主化運動を粉砕するためプラハに侵攻すると、パリ在住のフリオ・コルタサル(亜国人作家、故人)とともにプラハに行き、現地の状況を把握した。そして、母校UNAMの後輩たちが主人公だったメキシコの学生運動に関与した。これらの体験を『68年の出来事――パリ・プラハ・メヒコ』にまとめ、2005年に出版した。40年近く経ってから刊行したのは、「若者らが古い教育と政治に〈もう結構だ〉と叫び、ユートピアを行動で表現しようとした」と自身が捉え共感した出来事を反芻し、文章を脳裏で推敲してからだろう。この作家にとって重要なアンガージュマン(状況参加)を通じて描いた政治紀行である。

 フエンテスに会った前年(1967年)に私はメキシコ市を拠点にジャーナリズムの活動を始めたのだが、当時、話題になっていたフエンテスの作品は『最も透明なる地域』(58年)だった。社会問題を取り上げて、政治性の強い作品だ。しかし「物語のコラージュ」と評されるように、相互に関係のないように思われる出来事が煩雑な切り絵のように並べられていて、極めて難解だ。私は1冊入手して読みはじめたが、途中で投げ出したまま今日に至っている。以来、「フエンテスの小説は読みにくく面白くない」という印象が私に根づいてしまった。『グリンゴ・ビエホ』(85年)のような読みやすいものがあるにしてもだ。フエンテスはチャプルテペク城での昼食会の翌日、UNAM文化センターで「物語る芸術とは」と題して開かれた作家討論会で、「あれは私が28歳のときの作品だ。ああ、真実はどこにあるのだ!」と、『最も透明なる地域』を嘆いてみせた。

 この討論会は、ガルシアマルケスが司会した。ゴイティソロは、「フエンテスは広がりと野心においてバルザックと比較することができる。フエンテスはガルシアマルケスら〈ラ米ブーム〉の作家たちとともに、スペイン語文学に現代性をもたらした」と称讃した。だが肝心のガルシアマルケスはなぜか、フエンテスの作品や作風について一言も口にしなかった。フエンテスは「彼とは40年以上にわたる同志だ。小説を書き、文学を信じ、言及されていない広大な密林に言葉の形を与えるために闘ってきた」と述べたのだが、ガルシアマルケスは微笑を返しただけだった。

 私は、ガルシアマルケスには1970年代初めにメキシコ市でインタビューしてから何度か会ってきたが、強烈な皮肉屋という印象が強い。彼がフエンテスについて討論会で無言を通したのは、同時代を共有してきた同志であるにせよ、作品・作風はあまり支持できないというような気持を抱いているからではないかと思う。コロンビアの報道界で調査報道の先駆けとしてならしたガルシアマルケスは、物語作家としての才能があふれ、作品はどれも読みやすく面白い。この点でフエンテスとは大違いなのだ。だが、本心が何か、本人にしかわからない。二人は討論会の壇上で、笑顔で抱き合った。

 フエンテスは、1990年に暗殺されたコロンビアのゲリラ「4月19日運動(M19)」の指導者カルロス・ピサーロを主人公とする小説を書き終えつつあることを明かした。メキシコは90年代初めごろから、コロンビア産のコカインの米国への密輸基地になっており、コカイン絡みの巨額の資金がメキシコ社会に出回っている。このため、メキシコの〈コロンビア化〉という言い方がはやっている。そんな背景もあって、ピサーロを題材に取り上げたようだ。これも老年期にある作家なりのアンガージュマンなのだろう。

2008年11月20日木曜日

ブログ開始から1周年


記録をたどっていただければわかるのですが、実はこのブログは昨年の11月に開始しました。最初に書き始めたときは誰にも知らせませんでした。

当時はラテンアメリカ研究所のHPのリニューアルに向けて日々作業をしており、どうせHPのリニューアルをするなら素敵なデザインにするだけではなく内容も充実し、あまり知られていないラテンアメリカ講座の楽しさも伝わるようなものにしたいと思っていました。

最初は「ブログ~~??」という反応もあり、実際にどのようなものを作ろうとしているのかみてもらう必要もあって、これをHPにリンクさせるかどうかも決めないまま、ブログを書き始めたのです。

またブログがあっても記事がないのではクリックする気力も失せますよね。そうして経緯があって、誰にも内緒で2か月くらい書いていました。

その後、所長の温かい励ましもあって、新しいHPに新しい試みを追加することができるようになったわけです。

ラテンアメリカ講座やキャンパス情報だけで楽しんでもらえるのかな~と思いつつ、以後、思いもかけず、文筆家の伊高先生にもご支援いただき、素敵な記事を掲載することもできるようになりました。
ときどき「ここに掲載してしまってはもったいなくありませんか?」と言わなければならないほどです。

こうして1年間続けることができたのも、皆様の温かいご支援のおかげです。
実は10月に行われた国際会議のために、今年は講座のケアがおろそかになりがちだったのですが、時折、びっくりするほど親しみをこめて話しかけてくださる受講生がいるのもブログ効果なのかもしれません。

どうぞこれからもご支援のほどをよろしくお願いいたします。

2008年11月19日水曜日

立教の秋深まる


最近の立教に来る楽しみは紅葉の彩りの変化です。

あと数日でその頂点を迎えるような樹もあれば、茶色く乾いた枯葉色が縁取る葉をつけている木々もある。 こうした赤、黄、緑、茶、の絵具の調合を少しずつ変えて塗り替えていくような木々の装いを見ることができるのは心が癒されるようです。

おそらく講座の受講生も毎週来るたびに色合いを変えていくキャンパスに季節を感じているのではないでしょうか。

2008年11月15日土曜日

鈴懸の径(すずかけのみち)


立教大学といえば蔦の絡まるレンガの建物を思い出す人が多いと思いますが、某講師に、「立教大学といえば鈴懸の径でしょう。」と言われました。

毎日出勤するたびに「鈴懸の径」の碑の前を通ります。特に秋になるとたくさんの落ち葉に季節の移り変わりを感じるのだけれど、皆さんはこの「鈴懸の径」をご存じでしょうか。

モリス館(時計台のある建物)をくぐって、メインストリートの8号館を通過したあたりにこの石碑がたっています。刻まれているのは灰田勝彦が歌った鈴懸の径の歌詞です。この歌は立教大学のことを歌ったものなのです。下記のYouTubeから歌を聴くことができます。

http://jp.youtube.com/watch?v=D6wZN915GvU&feature=related

2008年11月14日金曜日

ボリビアでのアマゾン古代文明発掘


写真出典:Japan Timesの記事より引用
http://search.japantimes.co.jp/cgi-bin/nn20081111f3.html

実松先生が行っている古代アマゾン文明の発掘に関する記事がJapan Timesに掲載されました。
昨年の古代アマゾン文明の講演会以降についての様子がわかります。

実松先生よりのお知らせです。
*******************
今年のボリビアでの発掘についての記事がThe Japan Timesに載りました。サイトをクリックしてください。身長70cmの小人の写真もあります。

2008年11月12日水曜日

ブラジル映画特集

東京Filmexにて~ブラジル映画の奇跡~ジョアキン・ペドロ・デ・アンドラーデ監督特集が行われます。

プログラムとしては、3プログラム(5作品上映)
●『マクナイーマ』 
●『夫婦間戦争』(※併映『キャットスキン』) 
●『ガリンシャ』(※併映『シネマ・ノーヴォ』) となります

詳細は下記にてご確認ください。

http://www.filmex.net/2008/special_pa.htm

2008年11月11日火曜日

変わる南米

TVの番組情報をお伝えします。
NHK BS1で放送される世界のドキュメンタリーの中から、シリーズ「変わる南米」のお知らせです。
この番組は世界のさまざまな放送局が制作したドキュメンタリー番組を放映しています。

下記はすべてNHK 世界のドキュメンタリーのページより<変わる南米>の部分のみを抜粋しました。

<シリーズ 変わる南米>
チャベス政権 光と影 ~21世紀社会主義の行方~
11月11日 (火) 午後9:10~10:00
世界有数の埋蔵量を誇るベネズエラの石油の国有化を打ち出したチャベス大統領。3選を果たした直後の2007年の1年間、社会主義路線を強めていくベネズエラの姿をロードムービー風に取材し、各地の人びとの暮らしの現実をとらえた。
チャベス自身へのインタビューを交え、石油を国有化しても改善されない貧困の実態や、社会主義路線への危機感を強める人びとの声を伝える。

<シリーズ 変わる南米>
<世界33ヵ国 共同制作 民主主義>南米ボリビア “先住民たちの革命” (再)
11月12日 (水) 午後9:10~10:00
南米初の先住民の大統領、ボリビアのモラレス大統領に密着し、欧米流の政策に異論を唱え、理想を掲げて登場した政治家たちがぶつかる壁を描く。
天然ガスの国有化や貧困層への海外援助金支出が、上院の反対で実現せず、支援した民衆に苛立ちがつのる。大統領と共に下院議員に当選した貧困層対策に力を注ぐ女性議員の姿を交え、大統領と改革派議員たちのジレンマを追う。
※‘07年に放送された「NHK33ヵ国共同制作 民主主義」シリーズ、10本のうちの1本を再放送します。

<シリーズ 変わる南米>
将軍を追いつめた判事 ~チリ軍事政権の闇~ 前編
11月13日 (木) 午後9:10~9:54
1973年、チリ。ピノチェト将軍は、民主的に成立した社会主義のアジェンデ政権をクーデターで倒し、大統領の座についた。以後、15年に及ぶ独裁の中で、数千人が拘束され殺された。1998年、犠牲者の家族の告訴により、初めてチリの司法の下で控訴院が調査を行うことになった。
この番組は、ピノチェト元大統領を裁くという重要な裁判を任されたホアン・グスマン判事がピノチェト元大統領を起訴するまでのプロセスを数年間にわたり追い、ピノチェト政権下で何が起きていたか、その全貌に初めて迫った。

<シリーズ 変わる南米>
将軍を追いつめた判事 ~チリ軍事政権の闇~ 後編
11月14日 (金) 午後9:10~9:52
後編では、グスマン判事がピノチェト元大統領を起訴するまでのプロセスを描く。

<シリーズ 変わる南米>
ブラジルが世界を変える ~ルーラ大統領の挑戦~ (再)
11月17日 (月) 午前10:10~11:00
このドキュメンタリーでは、ルーラ大統領本人そしてその独自外交の担い手であるセルソ・アモリン外務大臣の証言を軸に、今後の南米のカギを握るベネズエラのチャベス大統領やボリビアのモラレス大統領らと、どのような南米の姿を築こうとしているかが語られる。

<シリーズ 変わる南米>
チャベス政権 光と影 ~21世紀社会主義の行方~ (再)
11月18日 (火) 午前10:10~11:00

<シリーズ 変わる南米>
<世界33ヵ国 共同制作 民主主義>南米ボリビア “先住民たちの革命” (再)
11月19日 (水) 午前10:10~11:00

<シリーズ 変わる南米>
将軍を追いつめた判事 ~チリ軍事政権の闇~ 前編 (再)
11月20日 (木) 午前10:10~11:00 

<シリーズ 変わる南米>
将軍を追いつめた判事 ~チリ軍事政権の闇~ 後編 (再)
11月21日 (金) 午前10:10~11:00

2008年11月8日土曜日

立教大学の秋(Otoño en Rikkyo)


今日は雨模様で、紅葉の輝きは今ひとつですが、グラデーションの美しさも見てくださいね。
Espero que aprecien las hojas brillantes en colores muy variadas.

2008年11月7日金曜日

Federico García Lorca: Poeta en Tokio


セルバンテス文化センターより下記のお知らせが届きました。

セルバンテス文化センターの公式オープンを記念し、 11月10日から15日までのスペイン文化週間に行われる数々の 文化プログラムのうち、 http://tokio.cervantes.es/jp/microsite/informaciones/eventos_culturales.htm
ガルシア・ロルカ/ポエタ・エン・トウキョウ」に教育機関の先生、 職員、生徒の皆様をご招待するそうです。 なお、当日17:00よりスペインクラシック音楽コンサート「クアルテート・サラバスティ」にもご参加いただけます ・・・ とのことです。ラテンアメリカ研究所よりまとめて予約をお願いしますので、ご興味のある方は、必ず8日(土)17時までにラテンアメリカ研究所までお申し込みください。

11月11日(火)

15:00 オープニングアクト
15:30  シンポジウム「フェデリコ・ガルシア・ロルカ:ポエタ・エン・トウキョウ」
ラウンドテーブル
ロルカ財団会長、姪孫であるラウラ・ガルシア・ロルカ、ロルカ研究の第一人者アンドレス・ソリア・オルメド氏、スペイン王立アカデミー会員清水憲男教授を迎え講演会を開催いたします。
会場 セルバンテス文化センター東京オーディトリアム
出演 ラウラ・ガルシア・ロルカ、アンドレス・ソリア・オルメド
協力 フェデリコ・ガルシーア・ロルカ財団
言語 スペイン語、日本語同時通訳あり 無料

立教大学の秋(Otoño en Rikkyo)


蔦のからまるチャペル(11月7日現在)

立教大学といって思い出すのは、時計台のある本館(モリス館)でしょうか、それともチャペルでしょうか。どちらも蔦のからまる歴史的建造物ですが。

このうち蔦の紅葉が見事なのがなんといってもチャペルです。桜の花も日当たりによって開花時期が異なるように、立教で一番早く蔦が色ずくのがチャペル。そして、今がチャペルの蔦の見ごろです。明日の登校の際にはぜひこのチャペルの赤をご覧になってください。
La Capilla cubierta de yedra (el día 7 de noviembre)
De cuál se recuerda Vd. al oir el nombre de Rikkyo, ¿el Edificio Morris (la torre con reloj)
o la Capilla? Ambos edificios son propiedades históricas de Tokio, cubiertos de yedra. Como las flores de cerezo florecen de distinta manera con o sin sol, las yedras también se enrojecen diversamente. Las hojas de la capilla se colorean por primero. Ahora están en su plenitud. Que no pierdan esta belleza.

2008年11月6日木曜日

在日ブラジル人これからの100年


おもしろそうな講演会のお知らせです。
出かけなくとも、インターネットで中継されるようです。

日時:2008年11月9日(日)
在日ブラジル人これからの100年
会場:女性と仕事の未来館

「インカの歌姫」イマ・スマックが死去


写真出典:
http://www.elpais.com/articulo/Necrologicas/Yma/Sumac/prodigiosa/cantante/peruana/elpepinec/20081105elpepinec_2/Tes
伊高先生から下記の寄稿をいただきました。
歌声を聴きたい方は
オフィシャルHP  
http://www.yma-sumac.com/index.htm
またはYouTubeにYma Sumacと入れて検索してください。

******************:

寄稿  伊高浩昭

 ペルー人ソプラノ歌手イマ・スマック(本名ソイラ・チャバリデカスティージョ)が11月1日、ロサンジェルスの病院で死去した。出自に謎が多いが、1922年9月10日カハマルカ州イチョカン生まれとされ、86歳での死とされる。結腸癌を患い、8カ月間入院していた。
 私(筆者)は1972年11月にリマ取材中、中心街の大統領政庁のすぐ近くにあった円形劇場で、帰国していた彼女の歌を聴いた。切符売り場に長い行列ができていたので興味を抱き、切符を買って入ったところ、幸運にも歌姫の公演に居合わせることができたのだった。彼女がちょうど50歳のころだ。
 私は舞台から遠い3階席の奥の席をあてがわれていたが、歌声を聴いて驚いた。初め、小鳥が劇場内を飛び回ってさえずっているような錯覚に見舞われた。実は、彼女が歌っていたのだ。近くにいた年配のペルー人と目が合うと、そのペルー人は「彼女の声域は4オクターブ以上なのだ」と誇らしげに教えてくれた。私は、彼女のカセットを幾つか買って資料とした。当時は、CDのない時代だった。
 その後リマに行く度に、あのときのようにイマ・スマックがひょっとして一時帰国し公演しているのではないかと劇場を当たったり、新聞の興行欄を調べたりした。だが、再び彼女の姿を見る機会はなかった。
 彼女は第2次大戦後、ニューヨークを拠点に「インカ・タキー」というトリオを組み、「インカ皇帝アタウアルパの末裔に当たる皇女」を名乗って歌った。天性の歌声と「アンデスの香りのする化粧をした美女」の風貌で1950年代に大ヒットする。夫モイセス・ビバンコは作曲家にして楽団指揮者だったが、彼が妻の歌う歌の編曲や舞台での演出で力を発揮した。60年代にはソ連(当時)で、ボリショイ管弦楽団と共演した。そのころ拠点はロサンジェルスに移していた。
 2006年には、故国ペルーの最高章「ペルー太陽章」を受賞した。「故郷を捨てた大スター」としてペルー人から「裏切り者」のレッテルを張られ、つらい思いをした時期もあったようだが、受賞によって心が癒されたに違いない。我が家のどこかにしまってあるはずの古いCDを見つけ出して、ピスコを飲みながら久々に彼女の歌を聴き、36年前の劇場の情景を懐かしみつつ追悼することとしよう。

2008年10月30日木曜日

アルゼンチンでよみがえるシケイロスの壁画(その2)


Siqueiros "Ejercicio Plástico" 作品の写真は下記のサイトより引用


投稿 伊高浩昭

 1936年7月、スペイン内戦が勃発する。シケイロスはスターリンの呼び掛けに応じたPCMの意を受けて37年から38年までスペインの戦線で共和派人民戦線の中佐として戦う。レポーターとして同行したのは、3番目の妻アンヘリカだった。このころシケイロスはメキシコの友人に次のような手紙を書いている。 
 「絵筆からはるか遠く、銃に極めて近い所に今、私は居ます。戦いは現代の造形に似て、機械的、物理的、化学的、幾何学的であり、律動で総合です。戦いは造形のように、人間性のなかの積極的、消極的なすべての物事を一気に表現します。戦のなかで、造形芸術のなかで、私は陳腐な物事に対して闘いつづけます」。シケイロスは私に、「人生最大の出来事はスペイン内戦への参戦だった」と語っている。 帰国したシケイロスに、スターリンからの新たな命令が届く。1937年からメキシコ市で亡命生活を送っていた宿敵トロツキーを殺害せよという命令だった。シケイロスは1940年5月、仲間たちとともに武装してトロツキーの砦のような館を急襲するが、殺害する意思はなく、トロツキーは無事だった。怒ったスターリンは刺客ラモン・メルカデルを送り込む。刺客はその年8月、トロツキーの脳天をピッケルでたたき割って暗殺に成功する。ちなみに、トロツキーが一時、フリーダ・カーロと恋愛関係にあったのは周知の事実だ。彼女は、彫刻家イサム・ノグチとも関係したとされている。女性関係が絶えない夫ディエゴへの面当てだったという。 
 〈トロツキー暗殺未遂事件の主犯〉として逮捕されたシケイロスは、メキシコ市駐在のチリ領事だった詩人パブロ・ネルーダ(1904―73)の尽力で1941年、妻アンヘリカ、娘アドゥリアーナとともにチリ南部のチジャンに落ち着く。この計らいの背後には、メキシコのラサロ・カルデナス大統領の配慮があり、同大統領はシケイロスの滞在に合わせるように、チジャンに壁画学校を建てて贈った。画伯は42年、この学校で「侵略者への死」(ムエルテ・アル・インバソール)という壁画を描く。シケイロスの波乱に富んだ人生は、このような経過をたどる。

 「造形の実習」は、1941年のボターナの自動車事故死を経て48年、軍人政治家アルバロ・アルソガライに邸宅ごと買われてしまう。その夫人は〈猥褻な絵柄〉が気に入らず、壁画に傷を付けた。1950年、邸宅と壁画は売られて別の持ち主の所有となるが、新しい所有者は壁画をばらばらにして地下から取り外し、コンテナ5個にしまい込んでしまった。美術愛好家エクトル・メンディサバルが1989年に買い取ろうとしたが、資金が途絶えて実現せず、1993年からは所有権争いが続くなかで、壁画はコンテナごと放置されていた。 
 2007年12月、亜国大統領に就任したクリスティーナ・フェルナンデスは、その年半ばメキシコを訪れた際、メキシコの壁画修復技術者らから、「造形の実習」を放置すれば劣化がさらに進み崩れてしまうと伝えられ、壁画の救済を要請した。彼女は08年、この壁画を接収する法律を制定し、10月21日、国有財産となった壁画はコンテナに入ったまま政庁裏に運ばれた。コロン広場の地下には往時の税関の建物が残っており、壁画はメキシコ人専門家の協力を得て修復されてから、そこに取りつけられる。ことし11月下旬に亜国を訪問するメキシコのフェリーペ・カルデロン大統領は、シケイロスの作品と出合うことになる。 
 数奇な運命をたどった「造形の実習」だが、一般公開されるのは2010年になるという。私にとっても、ブエノスアイレスに行く楽しみが一つ増えた。

2008年10月29日水曜日

アルゼンチンでよみがえるシケイロスの壁画(その1)



Siqueiros "Ejercicio Plástico" 作品の写真は下記のサイトより引用



投稿  伊高浩昭

 2008年10月下旬、ブエノスアイレスから懐かしいニュースが届いた。メキシコ社会派壁画運動の巨匠の一人ダビー・A・シケイロス(1896―1974)が1933年に同市に残した壁画「造形の実習」(エヘルシシオ・プラスティコ)が、修復を施したうえで大統領政庁(カサ・ロサーダ)裏にあるコロン広場の地下に取りつけられることになったというニュースである。なぜ懐かしいかと言えば、私(筆者)が1967年から74年までメキシコでシケイロスを何度も取材し、薫陶を受けたからだ。この壁画はシケイロスの2番目の夫人でウルグアイ人のブランカルス・ブルム(1905―85)の美を讃えるために制作されたものとされ、彼女を連想させる豊満な裸女たちが泳いでいるような絵柄だ。制作された邸宅の広間の壁と天井を覆っていた。シケイロス特有の政治性が極めて乏しい、希有な作品とされている。
 私はインタビュー取材を基にシケイロスの短い伝記【拙著『メヒコの芸術家たち』(1997年、現代企画室)参照】を書いたが、そのなかにはブランカルスの他、最初の夫人グラシエーラ・アマドール、3番目の夫人アンヘリカ・アレナルが登場する。私が知己を得たのはアンヘリカだけだが、今回のニュースで画伯ゆかりの3人の女性(いすれも故人)の名前が出てきたのにも懐かしさをおぼえるのだ。シケイロスの葬儀の後、アンへリカは、「夫は死の8カ月前、私に突然、〈私の人生で唯一人の女性はきみだ。きみは私の創造の閃きの源泉だ〉と言いました。あんなにうれしかったことはありません」と明かした。二人の間に生まれた娘アドゥリアーナの話では、両親が民法上の結婚登録をしたのは1971年のことで、画伯にとっては初めての正式な結婚だった。いずれにせよアンへリカは、前妻二人のことが気になっていたのだろう。

 シケイロスはメキシコ革命(1910―17)を憲政軍(革命側)の中尉として戦い、1919年に武官として第1次世界大戦直後の欧州に駐在することになるが、同年結婚したグラシエーラを伴っていた。彼女はメキシコの民俗芸能の研究者で、人形劇に打ち込んでいた。シケイロスは22年に帰国し、政府の要請で壁画制作を開始するが、翌23年、メキシコ共産党(PCM)に入党する。29年、共産党系の国際労連会議に出席するためモンテビデオに行き、そこで共産党シンパのブランカルスと出会い、恋に落ちる。ジャーナリストにして詩人で芸術家という多彩なブランカルスは美貌で恋多き女だった。連れ子がいたが、二人は同年、再婚し合い、連れ子とともにメキシコ市で暮らす。壁画家ディエゴ・リベラと画家フリーダ・カーロ夫妻、写真家ティナ・モドッティ、名画「メキシコ万歳」を制作するため滞在中だったロシア人映画監督セルゲイ・エイゼンステインらとの芸術家同士の華々しい議論と宴の毎日が続く。
 シケイロスは1933年、彼女とともにモンテビデオに行き、大河ラ・プラタ対岸のブエノスアイレスに落ち着く。ウルグアイ人で新聞王のナタリオ・ボターナはシケイロス夫妻を歓迎し、ブエノスアイレス郊外に持つ邸宅の地下の広間を飾る壁画の制作を依頼する。こうして「造形の実習」が生まれたのだ。ところが彼女はボターナと恋人同士になってしまい、シケイロスはニューヨークに去っていく。ブランカルスはさらに恋を重ね、晩年には、軍事クーデターで政権に就いたアウグスト・ピノチェー将軍を支持し、軍政に宝石を提供して、後に将軍から勲章を授与された。恋多き女は変節したのだった。 シケイロスはニューヨークで「シケイロス実験工房」を開いた。壁画制作用の珪素や棉火薬などを用いた材料を開発した。早期乾燥が可能になり、色彩の流麗さが増した。ルネサンス期からのフレスコ画法による壁画制作は、シケイロスにとって過去に沈んだ。実験工房にはジャクソン・ポロックが通った。後に「アクションペインティング(無形象画)」を編み出した画家である。

(続く)

2008年10月11日土曜日

ブラジル日本人移民100年の軌跡(その4)


移民の神様が見ていてくれる・・・・・・・。

国際会議の準備が始まって早1年。開催まであと2週間と迫った国際会議運営事務局は事務処理に追われています。これまで、どうしよう!と思うピンチもありましたが、いつもどこかで大きな手にふわっと支えてもらったような気がします。

それは人間であったり、ものであったり、出来事であったり、偶然であったり、いろいろなのですが、必ずうまく行くようになってきています。今も100%完全といったわけではないし、開催日まで心配な面もあるのですが、きっと移民の神様がみていてくれて、何もかも順調に行くはずという、ほのかな自信がこれまでの経験から備わったような気がします。

本番はどうなるのでしょうか? これまでも解決できてきたのですから、確信をもって大丈夫!!と言えるのです。
なぜだかはわからないのだけれども。

2008年10月6日月曜日

ブラジル日本人移民100年の軌跡(その3)


松田美緒さんのブラジル日本移民に関する曲を集めたLuarより

第39回現代のラテンアメリカ(コンサートの部)

今日は来週末に迫った、第39回公開講演会「現代のラテンアメリカ」のコンサートの部に関する情報です。

皆さんはブラジル日本移民というとどのようなイメージをお持ちになりますか?
苦労に苦労を重ねて? 第2次世界大戦前後の御苦労? それとも勝ち組負け組? 最近のスセソの活躍ぶり? 

今回のコンサートの部でお伝えしたいのは、日本移民を支えた心の糧となった音楽です。今年のレクチャーとその次の週に行われる国際会議では、映像をふんだんに使って、日本人移民の歴史を紹介します。こうした映像だけではお伝えしきれない部分を紹介するために、ポルトガル語の歌を主に歌う松田美緒さんとボサノバギターの大家笹子重治さんをお迎えし、時空を超えて、みなさんをブラジルへとお連れします。

ポルトガル語はラテン語由来の言語の中でも、特に情緒豊かでしっとりとした優しさに満ちた響きをもっています。ブラジルの音楽、ポルトガル語の響き、松田美緒さんの身も心もふわっと包むような柔らかな歌声、笹子さんのギターのサウンドが翼となることでしょう。

どうぞお楽しみに!!

2008年10月1日水曜日

第1回ガルシア・マルケス会議


写真出典:El paísのWeb記事 Fuente:un artículo de El País: 80 años de soledad
http://www.elpais.com/articulo/portada/Gabriel/Garcia/Marquez/ochenta/anos/soledad/elpepusocdmg/20070304elpdmgpor_1/Tes


講座の授業と時間が重なる講演会を紹介するのは気が引けるのですが、ラテ研便りはラテンアメリカファンの受講生にいろいろな情報を伝える場。ですから第1回ガルシア・マルケス会議の詳細をお伝えします。
Me atrevo a presentarles a todos Vds.las conferencias que coinciden con nuestras clases, pero bueno, este es el lugar donde les informamos las noticias relacionadas a América Latina. De manera que avisamos el programa del primer congreso sobre García Márquez.

第1回ガルシア=マルケス会議

コロンビア・日本外交樹立100周年を記念し、在日コロンビア大使館とセルバンテス文化センター東京がノーベル賞受賞作家ガブリエル・ガルシア=マルケスをテーマに、池澤夏樹、高橋源一郎、野谷文昭をはじめ、コロンビア、スペイン、日本の専門家を迎え『第1回ガルシア=マルケス会議』を開催します。
日時:2008年10月3日(金)〜10月5日(日)
場所:セルバンテス文化センターオーディトリアム(B1階)
※要予約(http://www.cervantes.jp参照)
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※すべての講演会及びラウンド・テーブルは日本語・スペイン語の同時通訳あり。
※※映画上映はスペイン語又は日本語字幕付。
※※※プログラムは変更になる可能性がありますので、ご了承下さい。

★★★ 2008年10月3日(金) プログラム ★★★
17時〜17時30分 会議オープニング(B1階オーディトリアム)
開会挨拶等 ビクトル・ウガルテ館長/パトリシア・カルデナス大使/野谷文昭教授

17時30分〜18時 講演会(B1階オーディトリアム)
「一日本人作家から見たガルシア=マルケス」 講演者:池澤 夏樹

18時15分〜 展覧会(2F南ギャラリー) ※オープニングガイド付き内覧会
「わが心のガボ」「写真家レオ・マティスがみたコマンド」

★★★ 2008年10月4日(土) プログラム ★★★

10時30分〜11時 講演会(B1階オーディトリアム)
「ガルシア=マルケスの重要性」 講演者:ファン・ヘスス・アルマス=マルセロ(スペイン)

11時〜12時 ラウンド・テーブル(B1階オーディトリアム)
「翻訳の挑戦」 講演者:坂手 洋二、マルガレット・デ・オリベイラ(コロンビア)、旦 敬介、野谷文昭

<12時〜13時30分 休憩>

13時30分〜16時 ラウンド・テーブル(B1階オーディトリアム)
「魔術的世界」 講演者:ペドロ・ソレラ(スペイン)、マルガレット・デ・オリベイラ(コロンビア)、田村 さと子、久野 量一

16時〜 映画上映会(B1階オーディトリアム)
『エレンディラ』(103min.)


★★★ 2008年10月5日(日) プログラム ★★★
10時〜10時50分 ドキュメンタリー上映会(B1階オーディトリアム)
『Buscando a Gabo』

11時〜11時30分 講演会(B1階オーディトリアム)
「日本文学におけるガルシア=マルケスの影響」 講演者:高橋 源一郎

11時30分〜12時30分 ラウンド・テーブル(B1階オーディトリアム)
「総括」 講演者:野谷 文昭、池澤 夏樹、高橋 源一郎、坂手 洋二、久野 量一、田村 さと子、小野 正嗣、ファン・ヘスス・アルマス=マルセロ、ペドロ・ソレラ、マルガレット・デ・オリベイラ、コンラド・スルアガ

2008年9月29日月曜日

ブラジル日本人移民100年の軌跡(その2)


今日は10月18日に開催する講演会の魅力をお伝えしたいと思います。

第39回「現代のラテンアメリカ」の講演会」はレクチャーとコンサートをお届けします。

第1部のレクチャーはラテンアメリカ研究所の丸山所長が講師を務めます。現在ラテンアメリカ研究所ではブラジル日本人移民史料のデジタルアーカイブ化を進めています。こうしたプロジェクト進行と並行して外部の機関の移民資料や映像などの修復にも協力をしました。

今回のレクチャーでご紹介する映像は、高知県で発見された、ブラジル日本移民の古い映像です。この貴重な映像は修復され現在はNHKが保管していますが、このたびラテンアメリカ研究所の講演会での映像の紹介に同意をいただいて、皆様にご紹介することとなりました。

今回は丸山所長が映像をご紹介しながら説明いたします。ここ以外では見ることのできない映像と貴重な話ですので、ぜひ奮ってご参加ください。
Hoy queremos informarle sobre nuestra conferencia titulado "América Latina Hoy" del día 18 de octubre. Sela presentaremos con dos sesiones; la primera; conferencia, la segunda; concierto.
Nuestro director Maruyama presenta la conferencia. Hemos venido operando la digitalización de archivo de los materiales (fotos y documentos, etc) de los inmigrantes japoneses en Brazil. Paralelamente a este proyecto hemos colaborado con otras organizaciones en este rango, asistiendo en la restauración de las imágenes y materiales.
Las imagenes que presentamos en esta conferencia son las imágenes muy antiguas, decubiertas en la prefectura de Kochi en la región de Shikoku(suroeste de Japón) . Ahora la Televisión NHK administra estas imágnes muy valiosas y se ha acordado de que nosotros presentemos estas imagenes en esta ocasión.
El director Maruyama explica esta imágenes que son difíciles de verse en otros lugares.

2008年9月25日木曜日

ブラジル日本人移民100年の軌跡(その1)


ラテンアメリカ講座は本日から開始です。秋は素敵な講演会があちらこちらでたくさんありますね。そちらも紹介していきます。また、ラテンアメリカ研究所が主催する講演会と国際会議も10月に行われます。

今日でラテンアメリカ研究所主催の国際会議まであと1か月となりました。これから準備の裏話をときどきお伝えしていこうと思います。

昨日やっと関係機関や大学、最近の旧受講生や講演会出席者にご案内を送付し終わりました。届いていない方がいましたら、どうぞ事務局までご連絡くださいね。

今回の国際会議にはブラジルからこの分野の著名な研究者の方々にご来日いただく予定です。
(詳しくは国際会議のプログラムをご参照ください)
http://univ.rikkyo.ac.jp/research/laboratory/ILAS/kenkyujo_html/project_kaigi.html

こうした方々の講演を日本で聞くことができることはめったにありません。ぜひとも奮ってご参加ください。

Hoy empieza el segundo semestre de nuestro Curso de Estudios Latinoamericanos. En otoño hay muchas conferencias muy interesantes en todos los ricones de Tokio. Aquí quiero informarselas también. Como Vds. saben, en octubre celebramos el congreso internacional sobre la trayectoria centenial de los inmigrantes japoneses en Brasil.

Dentro de un mes se celebra este congreso internacional. Ahora en adelante me gustaría contar cómo vamos preparándolo.

Acabo de enviar las invitaciones a las organizaciones, universidades, los alumonos y ex-alumonos. Si alguien no ha recibido la invitación, por favor avísemelo.

Para este congreso vienen investigadores destacados en este campo y es difícil de escuhara las conferecias de estos profesores en un lugar a la vez tanto en Brasil como en Japón. La verdad es que es una oportunidad sin precedente.

2008年9月24日水曜日

ホンジュラス便り

本日もラテンアメリカ研究所・ホンジュラス支局長からのお便りをお届けします。ここでもアメリカの大統領選にも関連した記事がありますね。

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 ここ数日の間に、ホンジュラスのおめでたいイベントが続きました。

 まずはこどもの日。日本でこどもの日といえば5月5日ですが、こちらでは9月10日です。こどもたちにとっては残念なことに、ホンジュラスのこどもの日は祭日ではありません(日本に生まれてよかった!)。でも学校ではお祝いの行事があり、もちろん家族でもお祝いをします。事務所のお父さん、お母さんたちも、今年は何をしてあげようか・・・とかわいいこどもたちの喜ぶようなお祝いを精一杯考えたようです。なかには「ウチではケーキが出るよ!」と友人を招待し、慌ててお母さんにケーキを買いに走らせるというチビッコ策士もいたとか・・・。お父さん、苦笑しながら話してくれました。

 そして同じ9月10日に、次期ワールドカップサッカーの予選試合となる「ホンジュラスv.s.ジャマイカ」が行われました。この日は仕事の出先で関係者が打ち上げのバーベキューをすることになっていたのですが、ホンジュラス人を誘っても「今日は大事な日だから」と断られたそうです。そういえば、一月ほど前の試合の日も、職場には有志が国旗を飾っていて、試合時間が近づくと潮が引いたようにオフィスから人がいなくなっていました。どちらかといえばラテンらしくない控えめなホンジュラス人も、サッカーとなるとラテンの地が騒き出すようです。それもワールドカップにかける情熱はひときわです。オリンピックにもホンジュラス代表は出場しましたが、これほどの盛り上がりは見られませんでした(というよりほとんど黙殺でした)。やはりサッカーのナンバーワンを決めるのは、ワールドカップなのですね。幸い、この日は2-0でホンジュラスが勝ち、こどもたちも大満足だったことでしょう。

 さて、それから5日後の9月15日は、日本では敬老の日ですが、ホンジュラスでは独立記念日です。この日はもちろん国民の休日となっています。祝日はこの日だけですが、実際には数日間のイベントが行われます。独立記念の恒例行事はパレードです。お揃いのユニフォームに身を包み、太鼓やシンバル、笛を携えたマーチングバンドやダンスチームが大通りを練り歩きます。何事もきっちり揃えることの苦手なホンジュラスにしてはまぁがんばってるかなーという程度の緩やかなまとまりの行進です。寸分狂わず統制の取れたバンドよりも、あっち向いたりこっち向いたりしている行進の方が休日の朝に似合うという気がするのは、私がちょっとホンジュラス化してしまったからでしょうか?

 そんな独立記念日の時期に穏やかでないニュースがホンジュラスを騒がせています。中南米の反米化は近頃顕著にそして広範囲に及んでいますが、先日ボリビア、ベネズエラがそれぞれの米国大使の出国を求めるとともに駐米大使を引き上げさせる決断を下しました。この動きを受けて、ホンジュラスはボリビア、ベネズエラの決定に賛同を示し、ちょうど交代時期にあった在ホンジュラス米国大使の信任状提出式を中止したのです。これまで親米路線をとっていたホンジュラスですが、ALBAへの加盟、そして今回の信任状拒否と、セラヤ大統領は今、反米に舵を取ろうとしています。とはいえ、ホンジュラスは歴史的に見ても米国の強い影響を受けているので、今回の大統領のコメントも、将来的には新米国大使の受入を認める可能性も含ませた玉虫色の発言となっていました。

 私は政治には全くの門外漢ですし、国家としての米国にはしばしば嫌悪感さえ覚えるたちなので、決して米国への追従をよしとするわけではありませんが、こんなどっちつかずの日和見政治は、結局ホンジュラスに悪影響こそあれ、よくは転ばないだろうという気がします。ボリビアやベネズエラが米国に対してここまで強気の姿勢を取れるのは、何と言っても潤沢な石油やガス資源によるところが大きいはず。そこがホンジュラスとの決定的な違いで、資源という武器を十分に持たないホンジュラスが同じことをすれば、たちまち息の根が止まってしまうことは火を見るよりも明らかです。
どうも、ホンジュラスは「ノアの箱舟」ではなく「セラヤ大統領の泥舟」に乗っているような気がしてなりません。泥舟の運命やいかに・・・。

2008年9月22日月曜日

2008年アメリカ大統領選挙


シンポジウムポスター

立教大学アメリカ研究所より、今日はラテンアメリカではなく、アメリカ合衆国に関するシンポジウムのお知らせです。ご存知のように、現在米国では11月の大統領選挙に向けて共和党のマケイン上院議員と民主党のオバマ上院議員の間で壮絶な選挙キャンペーンが繰り広げられています。まだまだどちらが優位か予断を許さない状況が続いていますが、この選挙が反米化の勢いを増しているラテンアメリカ諸国にとっても大きなインパクトを与えることは明らかでしょう。

これに先立ち、立教大学アメリカ研究所は10月3日(金)にこの選挙を通して今の米国とその対外関係を読み解くシンポジウムを開催いたします。開催日時、場所などの詳細は以下のとおりです。予約不要・入場無料ですので、奮ってご参加ください。

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題目:2008年アメリカ大統領選挙――「変化」するアメリカ

日時:2008年10月3日(金)17:00~19:30
会場:立教大学池袋キャンパス8号館2階8202教室

講師・演題:
中山俊宏(津田塾大学准教授)
   「オバマ現象の意味―そのエネルギーと動員力」
西村陽一(朝日新聞編集局長補佐兼ネットディレクター)
   「大統領選挙と日米関係」
佐々木卓也(立教大学法学部教授)
   「大統領選挙が映すアメリカの変容」

司会:李鍾元(立教大学法学部教授)

主催:立教大学アメリカ研究所詳細http://univ.rikkyo.ac.jp/research/laboratory/IAS/event/lecture/08/2008-3.html

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お問い合わせは以下までお願いいたします。

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奥村理央
立教大学アメリカ研究所
tel: 03-3985-2633 fax: 03-3985-0279 e-mail: ramins@rikkyo.ac.jp
website: http://univ.rikkyo.ac.jp/research/laboratory/IAS/index.html
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2008年9月19日金曜日

ボルヘス会のお知らせ


写真はEnciclopedia britanica から引用


後期開始前に、内田先生よりお便りがありました。


ボルヘス会の連絡です。前回のボルヘス会のときも「非常に素晴らしかった。」という感想があちこちで聞かれました。なんといっても、野谷先生のボルヘス会。初めての方でもきっと楽しめること間違いなしです。

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ボルヘス会第9回大会のお知らせ
日時:2008年9月20日(土)/15:00~18:00
場所:法文1号館113教室(東大本郷キャンパス)
※入場無料・予約不要です。
プログラム
●「ボルヘスと日本 ― 詩集『符丁La cifra』収録の五篇の詩について」
講師:サンティアゴ・マルティン=シプリアン氏
※講演はスペイン語、英語と日本語のレジュメ有り。

●「ボルヘスを読む」講師:小野 正嗣(作家)

講師紹介

*サンティアゴ・J・マルティン=シプリアン:1963年、スペイン、サラマンカに生まれる。サラマンカ大学にて古典言語(ラテン語・ギリシア語)および文学を専攻。1994年より東海大学および早稲田大学にて教鞭を執る。現在は歴史言語学およびスペイン語詩を専門とし、後者においてはとくにスペインとラテンアメリカの詩におけるギリシア=ラテンの影響を研究している。

*小野 正嗣(おのまさつぐ):1970年、大分県生まれ。作家、フランス語文学研究者。2001年『水に埋もれる墓』(朝日新聞社)で第12回朝日新人文学賞を、2002 年『にぎやかな湾に背負われた船』(朝日新聞社)で第15回三島由紀夫賞を受賞。『森のはずれで』(2006年、文藝春秋社)、『マイクロバス』(2008年、新潮社)などの小説のほか、翻訳にエドゥアール・グリッサン『多様なるものの詩学序説』(2007年、以文社)、V.S.ナイポール『ミゲル・ストリート』(2005年、岩波書店、小沢自然氏との共訳)、アミタヴ・ゴーシュ『ガラスの宮殿』(2007年、新潮社、小沢自然氏との共訳)などがある。明治学院大学専任講師。

http://borges.jp/

竹村淳先生からのお便り(カルトーラ生誕百年記念)


写真はAmazon.co.jpより引用

一昨年までラテンアメリカ論Iでラテンアメリカ音楽を教えてくださっていた、竹村淳先生とお話する機会がありました。以前にも増してご活躍の様子をお伝えします。

カルトーラ生誕百年を記念して素敵なイベントを企画中とのことです。

日時:2008年10月11日(土) 午後2時30分より
場所:築地キューバン・カフェ  (電話 03-5148-5001)
料金:4000円(当日4500円) 1ドリンクつき

第1部:74年当時のカルトーラの貴重な映像をご覧いただき、森本タケル氏と竹村淳先生のトークショー  第2部:日本におけるブラジル伝統音楽の第1人者、井上みつるらによるカルトーラやサンバ・カリオカの名曲の演奏。

2008年9月17日水曜日

ホンジュラス便り


サシガメの写真 JICAシャーガス病対策のページより引用
http://www.jica.go.jp/jicapark/frontier/0507/04.html

ホンジュラスには立教大学ラテンアメリカ研究所ホンジュラス支局があります。
今日はそのホンジュラス支局長からの報告です。

いつも元気な支局長ですが、いろいろな危険と隣合わせでがんばっているのですね。
東京からエールを送ります。

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気がつけばもう9月、久しぶりのホンジュラス便りです。
今回はちょっと恐ろしい感染症のお話です。

同僚から、出勤前に突然の電話。
彼女は前日、どうも調子が悪いと言いながら帰ったのですが、「熱が39度まで上がってしまった」とのこと。
薬を飲んでも切れる頃にはまた上がる状態で、そのうちに頭痛が始まり、身体の節々にも痛みが現れました。
食べることもできなくなり、病院で検査をしたところ、予想は的中。
 「デング熱」でした。

 日本で馴染みのないこのデング熱は、蚊を媒介とする感染症で、デング熱ウィルスを保有するネッタイシマカやヒトスジシマカに刺されることによって起こります。
 ホンジュラスはデング熱の発生地域で、雨の多いこの時期は蚊が繁殖しやすいため、発症率が高くなるのですが、今年は特に大流行しているようです。
 ここホンジュラスではマラリアに罹ることもありますが、都市部で発生しやすいデング熱のほうが我々にとっては脅威です。

 予防法は蚊に刺されないことしかないのですが、こちらの蚊ときたら服の上からでも刺すくらい食欲旺盛(?)ですから、デング熱に罹るかどうかは運でしかありません。
 デング熱の症状は、人によって、またその時の体調によって大きく異なり、全く気づかないうちに済む人もいれば、免疫力が落ちて回復までに何週間もかかる場合もあります。
 治療といっても特効薬はなく、対処療法しかありません。
 それでもこの同僚の場合は、不幸中の幸いで、いわゆる普通のデング熱でしたが、これがデング出血熱だと、死に至る可能性もあります。
 いつも元気な同僚の弱りきった声を電話口で聞きながら、改めてデング熱の怖さを感じ、また、あんな小さな蚊が大きな人間の体にこれほどダメージを与えることに驚きました。

 日本で耳にしない感染症には、デング熱のほかにシャーガス病が挙げられます。
 シャーガス病は中南米に見られる寄生虫病で、体長1.5~2センチくらいのサシガメを媒介して起こります。土壁や藁葺き屋根の家を好み、夜間に活発に動いて吸血します。デングやマラリアと比べてシャーガス病の恐ろしいところは、自覚症状なく慢性期に移行することが多く、感染後10年以上経過してから心臓や循環器系、消化器系に影響が現れ、そうなると治療法がなく死を迎えるという点です。
 主に貧困層の疾患率が高く、シャーガス病の知識がないために感染が拡大するという問題を抱えています。

ホンジュラスでは2種類のサシガメが生息しており、都市部に棲むタイプのサシガメは、私の職場や同僚の車の中でも見つかっているので、これも他人事では済まされません。帰国時にはきちんとシャーガス病検査をしなければ、と思っています。

先日、シャーガス病プロジェクト関係者からホンモノのサシガメを埋め込んだキーホルダー(啓発活動グッズ)をもらったので、記念に持って帰ります。興味のある方にはお見せしますよ!

ラテンアメリカ研究所ホンジュラス支局長より

2008年9月16日火曜日

勉強法の公開(その3)


やっと涼しくなってきましたね。

いかがお過ごしですか?

受講生の中には猛勉強を通して英気を養った人たちもいるようです。夏休みの勉強法の公開への投稿がありましたのでご紹介いたします。スペイン語初級IIクラスの有志による勉強会の報告です。


テキストは予定通り東大教養部編「Viajeros」から次の三つを選びました。・歴史評論:Alberto Galindo "Buscando un Inca"・地誌:Javier Pulgal Vidal "Las ocho regiones naturales del Peru"・バイオグラフィ:Silvia Salgado "Pedro Almodo'var"

どれも☆一つ(難易度で三つまで)なのですが、内容が難しい。テクニカル・タームや固有名詞を調べるのが大変でした。

最初に読み始めた「インカを探して」。ラス・カサスを引っ張り出し、網野徹哉を借りてきてと大変でした。インカ征服史の勉強か語学の勉強か分からなくなるほど。

ペルーの自然地理に至っては誰一人素養がありません。fotoperiodismo(光周期)なんて今もって何のコトやらです。

四段落を終える頃には諸手を挙げてアルモドバルに方向転換しました。

これはとても面白い。一行訳すごとに新しいアルモドバル像が見えてくる感じで快適でした。
読了できた分量は20頁足らずと決して多くはありませんが、「長文、何するものぞ」という気概?を養えたのが最大の成果かも知れません。

メンバーは六名。途中、お二人がご家庭の事情等でRead Only Memberに転じましたが、当初の予想よりみなさん熱心で、「よくぞここまで」という感じです。

途中、四時間以上にわたるオフ会をはさみ、四十日余りの間に、勉強会関連で受信したメールは百通を超えました!

対面式に比べるとコミュニケーションの質量を維持するのが大変ですが、案外このやり方、ラテ研受講生にはむいているかも知れません。

スペイン語初級IIの有志より

2008年9月12日金曜日

映画「ボーダータウン」の上映とトークショー


映画ボーダータウンのポスターより

伊高先生よりラテンアメリカ研究所にお便りがありました。

映画「国境の街」(ボーダータウン)上映会およびトークショーを行うそうです。
出演するのはもちろん伊高先生!!

日時:9月25日(木)19:20~22:15
場所:有楽町1-2-2、「シャンテシネ」(電話03-3591-1511)。

予約は
電話: 03-3518-6777 国際アムネスティー「国境の街」係
email mailto:xanadeux@xanadeux..co.jp ザナドー「国境の街」上映会係
にてお願いします。

出演 伊高浩昭 青木陽子

2008年9月9日火曜日

もうすぐ後期が始まります


静かな校内

皆さんいかがお過ごしですか。9月も2週目に入りました。
夏休みのお土産話をたくさん持って戻ってくる皆さんに会えることを楽しみにしています。

9月25日(木)から後期授業が始まります。

2008年9月3日水曜日

アリエル・アッセルボーン「大地に眠る歌」


アルバムの表紙より

昨年11月の「現代のラテンアメリカ」に出演し、私達に爽やかなアルゼンチンの風を届けてくれたアリエル・アッセルボーンさんのセカンドアルバムをご紹介します。

アルバムの名前はCanto subterraneo(大地に眠る歌)
フォルクローレをルーツに、歌とギターで語りかける、アルゼンチンの大地と詩的で美しいストーリーの数々です。

実は今回のオススメの一つはラテンアメリカ文学をご担当の内田先生の日本語訳詞。
日本語の訳を味わい、スペイン語の歌に身を委ねて、アルゼンチンの空気を感じてくださいね。

2008年9月1日月曜日

2008年スペインラテンアメリカ映画祭


映画祭のパンフレット(ラテ研に届いたパンフレットの写真です)

2008年スペイン・ラテンアメリカ映画祭のお知らせです。
毎年、この季節になると今年こそパスポート券を買って通いつめようと思いつつ、買いそびれてしまいます。私と同じように思っていらっしゃる方はどうぞお早めに!!

http://www.hispanicbeatfilmfestival.com/

2008年8月29日金曜日

ホンジュラスALBAに加盟

伊高先生(現代ラテンアメリカ情勢)より受講生のみなさんへのラテンアメリカに関する緊急ニュースです。
しばらく事務局を留守にしていたので更新が遅れて申し訳ありません。

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ラテンアメリカ講座受講生の皆さん、ラ米で重要な動きがあったので、現地からの情報を基に以下をまとめ、投稿します。

080826 サルバドール


◎オンドゥーラス(ホンジュラス)がALBAに加盟

オンドゥーラスのマヌエル・セラヤ大統領は8月25日、首都テグシガルパでALBA(ラ米ボリーバル主義代替統合地域=アルバ)条約に加盟する文書に調印した。

調印式にはウーゴ・チャベス・ベネスエラ、エボ・モラレス・ボリビア、ダニエル・オルテガ・ニカラグアの3カ国大統領、カルロス・ラヘ・クーバ国家評議会副議長が立ち会った。ことし1月ALBAに加盟したカリブ海英連邦の島国ドミニカのルーズベルト・スカーリット首相は立ち会わなかった。 

セラヤが加盟に踏み切ったのは、原油高騰で経済運営が限界に達したと認識したことによるところが大きい。オンドゥーラスは既に、チャベス主導下でベネスエラ石油公社(PDVSA=ペデベサ)が運営するペトロカリーベ(カリブ沿岸諸国石油公社の連合体)に加盟して、国際価格よりはるかに安く原油を輸入して恩恵を受けている。 

チャベスはテグシガルパ到着時に、「ALBAは帝国主義の覇権主義に対する対抗政策だ。人民のために社会正義を打ち立てようとしている進歩主義政権によるラ米統合政策だ」と述べた。

セラヤは、「オンドゥーラスとその人民は、ALBA加盟に際し、いかなる帝国主義にも許可を求める必要はない」と応じた。中道左翼を自任するセラヤらしい発言だ。 

だが国内には、ALBA加盟に反対する勢力が広範に存在する。

ニコラス・マドウーロ前大統領ら保守派は、「伝統的な同盟国は米国であり、米国に歯向かっているチャベス主導のALBAへの加盟は致命的だ」とセラヤを厳しく批判している。

オンドゥーラスの輸出の90%は米国向けであり、米国在住のオンドゥレーニョ100万人が年間にオンドゥーラスの家族に送金する総額30億ドルの現金は国家経済にとって無視できない重要な外貨収入源だ。こうしたことから、米国との関係悪化を懸念してALBA加盟に猛反対を繰り広げていた。 

またオンドゥーラスは、対米TLA(自由貿易協定)に立脚するCAFTA-RD(米国・中米・ドミニカ共和国自由貿易協定=カフタ・エレデ)に加盟している。

反対派は、ラ米左翼政権の集合体とも言えるALBAへの加盟は米国との通商関係を損なわせると批判する。 反対派は野党だけでなく、セラヤが所属する与党の自由党(PL)内にもおり、ALBA条約加盟を発効させための国会での批准は極めて難しいと観られている。

だがオンドゥレーニョの70%近くが貧困層であり、その生活救済が第一とするセラヤは、ALBA加盟に舵を切ったわけだ。 

オンドゥーラスの隣国エル・サルバドールでは2009年1月に大統領選挙が実施されるが、左翼野党ファラブンド・マルティ民族解放戦線(FMLN)のマウリシオ・フネスの当選が有力視されている。フネス政権が誕生すれば、ALBAに加盟する可能性が出てくる。 

ALBAは、チャベスが米国主導の米州自由貿易地域(ALCA=アルカ、英語ではFTAA)設立構想に対抗するため、フィデル・カストロと話し合って結成した政治色の強い経済同盟だ。シモン・ボリーバル(1783―1830)、ホセ・マルティ(1853―95)らのラ米統合主義に根差している。「小さな祖国=パトゥリア・チカ=ラ米各国」はALBAを通じて、いまや「大きな祖国=パトゥリア・グランデ=統合されたラ米」を志向している。

南米12カ国は欧州連合(EU)に刺激されて、南米諸国連合(ウナスル)結成を目指しており、これも「大きな祖国」を理想としている。 

米国はいま、11月の大統領選挙に向かい選挙戦が激化しつつあるが、もし民主党のアフリカ系候補バラク・オバマが勝てば米国とラ米の関係が改善される可能性が出てくると、ラ米では期待されている。

2008年8月24日日曜日

勉強法の公開(その2)

勉強法(その2)も事務局・篠塚です。

今回は勉強法の公開というよりも、勉強を楽しんで続けるためのお楽しみ編です。

私の最近のお楽しみ勉強法は、スペイン語のブログを読むことです。
Googleのブログ検索でおもしろそうと思われる言葉を入れて検索し、当たりと思われるブログにヒットしたら、それを続けて読むことです。

ここのところのお気に入りはスペイン語圏の人が書いた日本関係のブログを読むこと。
漫画、日本のアイドル、オタク文化など、通常のガイドブックには紹介があっても、まだ感想が載っていない最新事象に関する反応があってとてもおもしろいのです。

漫画といえばあまりにも範囲が広く、Mangaに対する海外の評価が非常に高いことはよく言われていることです。ですが、ブログでは、たとえば、今度映画で公開される「20世紀少年」についてなど非常に新鮮な意見や表現をスペイン語で聞けてとても勉強になります。

言語の勉強は、ラテ研の講座の使用教材でいえば、初級Iで使っている"Entre dos mundos"、そして、その後の初級IIで使っている"Nuevo Ven"のI そして中級Iの"Nuevo VenII"と表現が徐々に洗練されていき、その後、中級IIのようにオーソドックスなスペイン語を使って幅広く社会で使用されている言語を学ぶことになりますね。そして、最終的には現在ラテンアメリカスペイン語で使用している、実際の新聞や雑誌、本、またはスペイン語購読で使用している論文の表現に辿り着きます。

ところが、現場では違う表現がふんだんに使われています。
もちろん聴覚も鍛えておかなければならないのですが、それと並行して、最新の表現などを学びやすいのがブログかもしれないと思っています。

最近覚えた表現でおもしろいなと思ったのが、tomar la pastilla roja という表現です。
もちろん辞書にはでてきません。
最初は「これって、なんか聞いたことあるな~」でした。
検索してみると、これはtomar la pastilla azul o rojaということで、実は「Matrix」の中で主人公のNeoが真実を知ることを選択し、pastilla rojaを飲んだことからきていたのでした。
おそらくこれはスペイン語圏の人にも説明は必要でしょうが、言葉というものは日々変化しているのだなと感じます。

またこうしたブログはさらさらと読めるほど文法的にはとても簡単であるにも関わらず、接続法がとても豊かです。同じ表現ばかりの接続法の教科書よりも無理なく身に付きそうな気がします。

インターネットの長所と短所でもあるのでしょうが、出版されている本とは違って練り上げられた文章ではないがゆえに文章にまだ無駄が残っており、主語や動詞を見分けやすい、すなわち、初心者にはわかりやすいということも言えます。

同時に、短所ですが、アクセントの抜けが多い。例えば、点過去3人称単数のアクセントなどは書いていない場合も多く、そこは自分で補う必要もあります。me llamó と me llamoではまったく意味は異なりますが、そこは無理なく正確に読めなければなりません。たまに文法上の間違いも見受けられます。

こうしたツールを利用している人はたくさんいるとは思いますが、もしまだでしたら、試してみませんか?

2008年8月22日金曜日

夏休みのキャンパス


芝生の手入れ中

夏休みのキャンパスは、学生も少なく、蝉しぐれに夏を感じます。
すでに8月の中旬も過ぎ、冷房をかけなくとも爽やかな風を感じながら、ミッチェル館で過ごしています。

大学のキャンパスでは写真のように芝刈り機を使って芝の手入れをしています。昔はこれで雑草を取るのかと思っていたけれど、雑草は雑草で別の時期にきちんと根から抜き、これは芝だけをカットしているのです。
朝早く出勤すると、いつもどこかしこで手入れをする人たちがいます。美しいキャンパスを維持するためには多くの人の手がかかっているのですね。

2008年8月14日木曜日

映画情報

映画情報の訂正です。

8月22日(土)「欲望」ミケランジェロ・アントニオーニ監督とお知らせしましたが、これは23日(土)が正しい日付です。お詫びとともに訂正します。以前の情報も23日に訂正しました。

新たな情報は

Temporada de patos「ダック・シーズン」
メキシコのアカデミー賞といわれるアリエル賞を受賞した映画です
場所:セルバンテス文化センター
日時:8月20日(水)18:30
映画開始15分前に映画のテーマソングを歌う、ナタリア・ラフォルカデのミニコンサートがあるそうです。

ボリビア情勢(伊高先生からのお便り)

伊高先生からは前回で最後のお便りの予定でしたが、番外編としてもうひとつお便りが届きました。

秋からの授業が楽しみですね。

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ボリビア情勢について短く寄稿します。これで全4本となり、打ち止めです。

ボリビアからのインターネット情報によると、同国で8月10日実施された、大統領と9州全知事の罷免の是非を問う国民投票で、エボ・モラレス大統領、および同大統領の新憲法制定政策に反対するサンタクルス州など諸州の知事は、そろって信任された。

その結果、政情は、大統領支持派と反対派の力関係が国民投票前とほとんど変わらないまま、緊張状態が続く見通しとなった。

大統領が次に目指すのは、農地改革の前段階としての大土地所有制の規模(面積)を決定する国民投票と、決定されたその規模を盛り込んだ新憲法の承認の是非を問う国民投票だが、賛否両派の力関係が拮抗しつつあるため、成り行きを予測するのは難しい。

問題の本質は、「コロンブス到着以来516年」.の間に失われた先住民族の権利の「奪回」を巡る歴史的な闘争にある。

過去を奪われた先住民族が、過去を復活させて未来に向かうために、先住民族中心の新しいボリビアを建国するというのが、モラレスの思想だ。

新憲法が公布されれば、ボリビアにとどまらず、ラ米全域、さらには植民地支配に苦しんだ世界各地の国々に影響が及ぶはずだ。

それだけに、既得利権にしがみつきたい伝統的支配層は、「旧秩序」を死守するため必死なのだ。

ボリビア情勢は、このような世界史的意味をもつ。じっくりとフォローしていきたい。


080813 
米国沖を航行中のPB船上にて

サルバドール

2008年8月13日水曜日

伊高先生航海日誌

伊高先生よりのお手紙です。

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船上からの最終報告です。

メヒコ太平洋岸のアカプルコに8日、上陸jしました。

41年前に最初に来たころ、何度も砂に埋めた思い出が、紫の霞がかかって甘酸っぱくも、おぼろげに甦ります。しかし、別離と忘却が過去を軽くし、いまは感傷はありません。だから生きていけるのでしょう。

10日には、船の給水のため、メヒコのハリスコ州プエルトバジャルタに数時間停泊し、浜辺を散策し、大型でうまいマルガリータを呑みました。ここも34、5年前に来ましたが、特に感慨はありませんでした。

船は、バンクーバーに向けて、間もなく出港です。

これから小一週間、いろいろな講座を開きます。パブロ・ネル-ダとガブリエラ・ミストゥラルの詩の朗読や、メヒコ情勢、チェ・ゲバーラの愛と人生、ロシア民謡DJなどをやります。

17日には東京に戻ります。そして実りの秋に備えます。

9月下旬の再会を楽しみにしています。そしてレポートも。

ではまた、080810
プエルトバジャルタにて、サルバドール

2008年8月8日金曜日

ラテンアメリカ航行中(伊高先生より)

伊高先生よりお便りが届きました。
秋からの授業が楽しみですね。私も受講したい・・・
¡Qué envidia!

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船は、米フロリダ州タンパ港を7月末に出て、メキシコ湾を南西に走り、クーバ西端と墨ユカタン半島の間を通ってカリブ海に入りました。

中米沿岸を南下し、8月1日パナマ運河カリブ海側のコロン市サンクリストバル港に入港しました。

パナマ先住民族7言語集団のなかのエンベレ人の集落を、熱帯雨林のなかを流れるガトゥン川を伝って訪れ、数時間取材しました。

1年半前まで、コロンビア国境地帯のダリエン地峡に住んでいたのですが、コロンビア領内から侵入してきた極右準軍部隊か左翼ゲリラか判然としない勢力に攻撃されて、パナマ中央部に移住してきたものです。 エンベレ人は、男女とも植物の汁で刺青をしますが、数週間で自然に落ちてしまう種類の刺青で、いわば健全なものです。いずれ、この訪問記は原稿にします。

パナマ運河は5回目の通行でした。運河第3水路の建設現場は見ることができませんでした。パナマ運河開通100周年の2014年に第3水路は開通するとのことですが、保証の限りではありません。

運河は太平洋側出口のバルボア港の真上で、汎米道路が走るラス・アメリカス橋と交差します。この地点を「世界の十字路」と呼びますが、その辺りから左手彼方にはパナマ市が見えます。来るたびにスカイラインが高く幅広く拡大しています。建設景気で沸いているとのことですが、新自由主義的路線のなせる業でしょう。

その後、グアテマラのケッツァル港に5、6両日停泊しました。

マヤ民族とラディーノ(混血)の女性達が仲良く「女性の地位向上」に努めているテクパン市を訪問し、マヤ人宅に泊まって取材しました。これまた長い記事にまとめます。

受講生のM記者はきょう6日、成田を経ったはずです。メヒコ留学時代の幕開けですが、同君の墨国滞在が実り多きものとなるのを祈ります。

ではまた、お元気で、080806 サルバドール

映画情報

8月の映画情報をお知らせします。

セルバンテス文化センターにてコルタサルに関係する映画を上映します。
会場はいつもかなり冷房が効いているので、1枚余分に上着を持っていってくださいね。

8月23日(土)15:00 「欲望」監督ミケランジェロ・アントニオーニ  英語上映・日本語字幕
8月25日(月)18:30 「フリア/激情」劇場未公開作品 監督アレクサンドル・アジャ  フランス語上映・英語字幕
8月27日(水)18:30 「コルタサル・ドキュメンタリーノート」監督エドアルド・モンテス・ブラッドレー  西語上映・字幕なし
8月30日(土)15:00 「あなたになら話せる秘密のこと」監督イサベル・コイシェ  西語上映・日本語字幕
9月3日(水)18:30 「皆殺しの天使」監督ルイス・ブニュエル  西語上映・日本語字幕

セルバンテス文化センター
入場無料・予約不要。

2008年8月7日木曜日

アルゼンチン帆船来航

昨日の新聞にアルゼンチン海軍の練習帆船「リベルタ号」が5日横浜港に入港したという記事がありました。

その昔、私がイスパニア語学科の学生だった頃(ですから本当に昔の話)、コロンビアの練習帆船が来航し遊びに行ったことを覚えています。当時はまだスペイン語学習を始めて3ヶ月半ほどたったっころで習い始めたスペイン語を初めて授業以外に使い、とても楽しかったことを覚えています。

今回のアルゼンチンの帆船はアルゼンチンと日本が外交関係を樹立し今年が110周年になることを記念して来航したそうです。日本からへの移民を乗せて行ったアルゼンチナ丸はインドやアフリカを経てブラジルへ行きましたが、この帆船は同じルートを南米から辿ってきたようです。

一般公開は8月9日10日の午後2時から6時までで無料です。
詳細はアルゼンチン大使館HPへ。帆船が停泊している場所の地図があります。

帆船見学の後に、夕暮れの港の散歩などはいかがでしょうか。

2008年8月4日月曜日

映画情報(8月以降)

毎日暑いですね。たまには涼しい映画館での勉強はいかがでしょうか?
冷房が効きすぎる場所もあると思うので、上着は必携ですね。

8月の映画情報です。

8月8日(金)まで 下高井戸シネマにて『今夜列車は走る』
8月9日(土)より 有楽町シャンテシネ『コレラの時代の愛』
今秋『ボーダータウン、報道されない殺人者』

8月中旬にも映画情報を記載します。

2008年7月30日水曜日

航海日誌(伊高先生より)

夏休み報告が届きました。
まずは、ラテ研の受講生をなつかしく思い出しつつ、休みを満喫している様子の伊高先生から。
先生のご活躍と楽しそうな様子が伝わってきます。

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ラ米研「現代ラ米情勢」講座受講生の皆さん、

メキシコ湾航行中のピースボート船上から、このお便りを差し上げます。投稿という形ですけれど。

今回は8月13日にニューヨークに行きましたが、15日昼過ぎ、マンハッタンの第6大通りで、(同日夜、ヤンキースタディアムで開かれた)大リーグ・オールスター(全星)戦の選手たちがオープンカーで行進するのに出くわし、イチローや福留に声援を送り、彼らも気づいて挨拶を送り返してきました。

成田から乗った日航機でNHK野球解説者・与田剛(元中日投手)と乗り合わせ、NY空港で会話しましたが、彼はもちろん全星戦の解説のために到着したわけです。

今回の旅は大リーグに縁があるなと思っていましたが、NYマンハッタンからブルックリンへと移動し、さらにフロリダ半島西岸のタンパに1週間滞在し、タンパ湾の向こう岸のセントピーターズバーグで、そこを本拠地とするタンパベイ・レイズの公式戦をトロピカーナ球場に行って観戦しました。

元スワローズの岩村2塁手にも外野席から声援を送り、気づいた彼とエールを交換しました。遠い日の野球少年にしばし戻った2週間の米国滞在でした。

船はいま、メヒコ湾を南下しており、やがてクーバ西端とユカタン半島の間からカリブ海に入り、8月1日にパナマ運河カリブ海側のサンクリストバルに入港します。

モラのデザイナーでクナ民族の親友ワゴ君と一緒で、愉快にやっています。

エベレスト山に女性で初登頂した田部井淳子さんも、船内講師としての同僚で、アンディーナというラ米名を彼女につけたところ、すっかり定着しています。

酔狂な船客が、浅草神谷バーの電気ブランを持参してきたというので、これからアンディーナも交えて海を眺めつつ乾杯です。

次回はラ米の話をいたしましょう。

アスタ・プロント、080729午後3時45分
サルバドール

2008年7月28日月曜日

講演会(Conferencia)

お知らせが遅くなってごめんなさい。
明日の講演会のお知らせです。

日時:7月29日(火)19時
場所:セルバンテス文化センター
講演者:アレックス・ロビラ、フランセスク・ミラージェス
テーマ:幸福の迷宮

アレックス・ロビラと言えば「グッドラック」。日本でも170万部も売れたベストセラー。
書店の平積みコーナーで緑色に四つ葉のクローバーの印象的な表紙を見かけた人も多いと思います。

実はこの本がラテンアメリカ研究所の図書室に入ったのは昨年のことです。
おそらくロビラという名前、グッドラックというタイトル、セルフヘルプブックのような宣伝からスペイン語圏文学とは思えなかったのが図書室になかった理由なのかもしれません。

スペイン語圏でもこうしたジャンルの本-libro de desarrollo personal-はたくさん存在しています。英語からの翻訳本も数多くあります。 どうやら図書室にはこの手の本はあまりなく、当時ラテ研事務局で図書の担当を始めたばかりの私は買っていいものかどうか迷った記憶があります。それでもそうした本が現在のスペインをよく表しているような気がして買ったことを今でも覚えています。

その後、セルバンテス文化センター創設にあたって、InternationalPressに掲載されたセンター館長の談話を読んで安心したことを覚えています。そこにはAlexRovira氏のグッドラックが日本でとても愛されていることが触れられていたのです。

グッドラックの中にはスペイン的な要素は素材としてはあるのですがInternational風に調理された、今日のスペインのヌーベルキュイジーヌのようです。

グッドラックはとても軽くて読みやすい。しかし何度も読むと深さがじわっと浸みてくる感じがします。

明日の講演のテーマである、新刊「幸福の迷宮」はもちろん発売と同時に購入したことはいうまでもありません。

2008年7月25日金曜日

サンパウロ便り


サンパウロからの写真

昨年までポルトガル語上級とラテンアメリカ論IIを受講していた鈴木さんからお便りが届きました。
お手紙からブラジルらしさ、そして、充実して毎日を送っている様子がわかりますね。元気な様子になんだか心があたたかくなりました。

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こんにちは。

現在、サンパウロ大学の人文学部に留学に来ています(来年の1月まで滞在予定です)

日本では早稲田の社会科学研究科(修士)に在籍していて、80年代以降のブラジルにおける雇用や労働状況の変化について研究しています。

今年は移民100周年記念ということもあり、日本に対する注目も高まっていて各地でイベントやセレモニーが行われています。 そこで感じるのは、やはり私を含めた日本人がブラジルで好意的に受け入れられるのは、移民でこられた方々の功績のおかげであるということです。それに対してもちろん敬服します。

しかし、たとえば日本や日本人に対するブラジル人のイメージがひと昔前のもので止まっているな、とも感じます。「日本から留学にきた」というと、「移民研究できたのか?」、と言われることが9割です。 ブラジルと日本がこれから新しい関係を気づいていくためにも、過去の功績に感謝しつつ、また新しい視点で物事を見つめたほうがいいな、と今日この頃感じています!


・・とまあ、ちょっとまじめなことはこのぐらいにして(笑)、ブラジル人の明るさといい加減さと機転の良さはやっぱり生活していてすがすがしいです!やたら食べるし、しゃべるし、ひとの噂話が大好きで時々どっと疲れることもありますが、それぞれがマイペースで、going mywayで人生の楽しみ方そのものを知っているなあと感じます。

ブラジルにきてはや4ヶ月が経ちましたが、充実した日々を送っています。

また何かあったら報告しますね!
乱文、長文、失礼しました!
それでは!

鈴木志帆
元ラテ研受講生
早稲田大学大学院社会科学研究科修士2年
2008年度サンパウロ大学人文学部留学生

勉強法の公開

勉強法を募集した以上トップバッターとして、事務局で働く私のお気に入りの勉強法を公開しますね。

お気に入りというよりも、これを使って実力が伸びたなと実感できる方法です。

1)私がなによりも力を伸ばせたなと実感できたのはシャドウイングです。
これは通訳訓練法のひとつで、音声にあわせて、テキストを見ずに同時に発声して行く方法です。
このとき音源には自分で内容を熟知した音源を使います。そして、自分で発声することでそのテキストをまるごと自分のものにしていきます。その後、そのトピックについて自分で勝手におしゃべりをしたりもします。

2)最近のお気に入り
少し前まではTVEを受信していましたが、最近のお気に入りはYouTubeです。ここにいろいろなトピックを入れてスペイン語ビデオを見ます。

最近のヒットは、Julio Cortazar。昔のインタビューがたくさんでてきます。
Garcia Marquezのインタビューもおもしろかったです。アクセントを付け忘れてもちゃんとでてくるようです。 これは実力が伸びたなというよりもお楽しみです。

これを使って実力を伸ばすにはちゃんと聞き取ることでしょうか。

Cortazarはまるでフランス生まれのアルゼンチン育ちのようです。このrの発音はフランス人のようです。それでもリズムは本当にブエノスアイレス。こうしたインタビューをたくさん聞いて、彼の文章の中からアルゼンチンの空気と香りを読めるようになりたいと思っています。

皆さんの勉強方もぜひ教えていただきたいものです。

ブログへの投稿の募集

昨日で最後の補講も終わり、今日から本格的にラテンアメリカ講座の夏休みが始まりました。

皆様はこの夏休みをどう過ごされるご予定でしょうか?
夏休みにあちこちに出かける皆様はぜひラテ研にお便りをお寄せ下さい。
ブログに掲載し受講生に活躍の様子をお知らせしたいと思います。

夏休みも語学の勉強を継続する受講生もたくさんいるようです。
こうした方たちから、勉強法なども募集しますので、ぜひメールでおよせください。

事務局としては映画など皆様のお役に立ちそうな情報を掲載していく予定です。

ボリビア映画紹介(続き)

ボリビア映画上映会のご案内

久しぶりのウカマウ映画全作品上映会です。特別上映作品もあります(末尾参照)。
ぜひお出かけください。

8月1日(金)  17:00 革命+ウカマウ
         19:00 最後の庭の息子たち
  2日(土)  15:15 落盤+コンドルの血
         17:00 駐日ボリビア大使挨拶
            対話「ウカマウ映画をめぐって」
             児島峰(独協大学、ラテンアメリカ文化論)
             VS 太田昌国(シネマテーク・インディアス)
         19:00 鳥の歌
  3日(日)  13:15 人民の勇気
         15:00 パチャママの贈り物
         17:00 地下の民
  4日(月)  17:00 第一の敵
         19:00 ただひとつの拳のごとく
  5日(火)  17:00 ここから出ていけ!
         19:00 革命+ウカマウ
  6日(水)  17:00 ただひとつの拳のごとく
         19:00 落盤+コンドルの血
  7日(木)  17:00 地下の民
         19:20 人民の勇気
  8日(金)  17:00 鳥の歌
         19:00 第一の敵
  9日(土)  15:15 最後の庭の息子たち
         17:00 対話「映画の革命・革命の映画」
             平沢剛(明治学院大学、映画批評)
             VS 太田昌国
         19:00 ここから出ていけ!

  会場:セルバンテス文化センター【東京・千代田区六番町2-9 
      セルバンテスビル】市ヶ谷駅、四谷駅、麹町駅から5分。
      TEL 03-5210-1800 http://www.cervantes,jp/
  作品概要は、 http://www.jca.apc.org/gendai/ の「ウカマウ」参照。

  各回入替制、各回1,000円。「対話」は無料。
  DVCAM上映です。
  プログラムは変更の可能性があり得ます。
  
8月3日上映の『パチャママの贈り物』は、ニューヨーク在住の松下俊文監督作品です。松下氏は、ウカマウの映画に刺激をうけ、ボリビアの塩湖ウユニを舞台に、先住民の少年の、初恋の物語を通して、アイデンティティの大切さを訴える作品を作り上げました。日本初公開作品です。
  配給:シネマテーク・インディアス
  主催:セルバンテス文化センター東京+駐日ボリビア大使館      

2008年7月12日土曜日

夏休みの映画・講演会

本日から補講があるクラス以外は夏休みとなりますね。

皆さんはどんな予定をたてていらっしゃるでしょうか?

*映画
7月19日(土)ルイス・ブニュエル映画・・セルバンテス文化センターにて 15時より  無料
7月26日(土)ルイス・ブニュエル映画・・・セルバンテス文化センターにて 15時より 無料
8月1日(金)から8月9日(土)まで・・・同じくセルバンテス文化センターにて、ボリビア映画祭。
各回入れ替え制で1回1000円だそうです。このうち2日と9日には対談もあります。

2008年7月11日金曜日

サルサのレッスン Lección de baile "Salsa"




スペイン語中級IIクラスで本日サルサのレッスンが行われました。
教えてくださったのは受講生の岩永さんです。サルサの歴史、日本での普及の歴史などの説明の後、サルサのステップを教えてくださいました。
HPです。  http://www.salsamania.jp


Hoy se ha celebrado la lección de baile "salsa" por el Sr. Iwanaga en la clase de Español intermedio II. Primero nos ha explicado sobre la historia de salsa, la divulgación del baile salsa en Japón,....Han participado dos españolas también es esta clase.

2008年6月30日月曜日

フリオ・コルタサル講演会(終わりなき旅)

6月29日東京大学で行われた、シンポジウム「世界の文学とラテンアメリカ」にはラテ研受講生、元受講生がたくさん出席していました。ラテンアメリカ文学だけでなく、桜庭一樹さんの創作の秘密にも触れる事ができ、これ以上ないほどの贅沢なシンポジウムでした。

もうひとつ素敵な講演会のご紹介です。7月3日(木)セルバンテス文化センターで行われる、フリオ・コルタサル展覧会のオープニングを兼ねた野谷文昭先生の講演会です。ラテンアメリカ講座の文学担当の内田兆史先生のお話もあります。参加希望の方は直接セルバンテス文化センターに申込が必要です。

Fiesta(続き)





Photos
上から音楽と踊りに合わせてずっとパーカッションを務めてくれた方たちに感謝を込めて!
真ん中は、どんどん踊る人が増えていったフロアの様子。
生徒と踊る先生たち。
本当は最後にほぼ全員で踊ったBaileの輪(和)もご紹介したかったのだけれど、撮影者も参加したため写真がありません。これはちょっと残念ですが、皆の心にはいつまでも残ることでしょう。

2008年6月28日土曜日

Fiesta Latina, Fiesta Salvadoreña





今日はFiestaの日。授業が終ると皆で赤坂にある会場へ。
幹事の口利きでFiesta告知の日のブログにある素敵なAmbe Cuatroを今日は貸切。
会場はラテ研ムード一色に染まりました。

ラテンの音楽を聞きながら、今日始めて話す人ともおしゃべり。授業、旅行、Baile、食べ物、普段の生活、これからやりたいこと、どれもラテンアメリカがテーマ。

これだけ各年齢層に及ぶ、いろいろな職業の人が集まる場は東京でも稀有なことだと思う。

そして、一人二人と立ち上がり、Música y baile, baile y música, música y baile....
最後はほぼ全員で輪になって…A bailar!

この間ずっと素敵なパーカッションを聞かせてくれたBernardo
盛り上げてくれた司会のDeborah
BaileをリードしてくれたMicaela  音楽をリードしてくれたReina

4人の幹事さん、本当にありがとうございました。
何から何まで受講生に支えられているラテ研ですね。

写真は少し修整してからアップしますのでもうしばらくお待ち下さい。

Se ha celebradado hoy la fiesta salvadoreña organizada por los alumnos de la clase del tema II sobre América Latina. Al entrar en la sala del restaurante, ya se sentía el ambiente.

Música, cerveza, ron, cocacola, otras más bebidas,...Han organizado Deborah, Bernardo, Micaela y Reina esta fiesta.
La fiesta empezó con las palabras de los profesores, y después las charlas con todo el mundo, y la música y baile. Los primeros que han empezado a bailar, claro, eran profesores, Mario y Salvador. Después chicas y chicos. Al último, todos.. a bailar.....
Muchísimas gracias a los organizadores...¡Un gran aplauso a todos!

2008年6月27日金曜日

グアテマラ大使講演会


7月5日(土)グアテマラ大使講演会を開催します。

14:45より5122教室にて伊高講師のラテンアメリカ論IIの特別授業として行われます。

2008年6月20日金曜日

ブラジル移民史料再製本終了


きれいになった本たち、お帰りなさい!

整備にだしていたブラジル移民史料の本の再製本が完了しました。
どの本もとてもきれいになって利用しやすくなりました。

2008年6月19日木曜日

ブラジル日系移民百年の軌跡(その1)

昨日6月18日は日本からの初めての移民がブラジルのサントス港に到着した日でしたね。

ラテンアメリカ研究所は昨年より移民100周年を機に貴重な移民史料を保存するという活動に取り組んでいます。こうした活動の詳細はHPの「ブラジル日本人移民100年の軌跡」の部分にまとめてありますが、活動の一環として協力した番組「その時歴史が動いた」が昨日NHKで放送されました。再放送もされますので、お時間のある方はぜひご覧ください。


第329回移民は共存共栄の事業なり 〜ブラジル移民100年〜
再放送
平成20年6月24日(火)16:05〜16:48 総合 全国

2008年6月18日水曜日

事務局便り


ミッチェル館の紫陽花も見頃です

6月の事務局は講演会準備と来年の講座運営の計画中です。
こうした講座運営の基になるのが皆様からいただくご意見です。

先週配布したアンケートも企画を考える際の貴重な資料となります。
ぜひアンケートにご記入の上、今週中に職員にお渡しくだされば来週の会議の資料といたします。

Fiesta, Fiesta, Fiesta....


Fiestaのチラシ

一般的な大学の公開講座の場合、親睦を深めるための懇親会を開くことはあっても、なかなか大学生に戻ってクラスメートとの"飲み会"というのは少ないのではないでしょうか。

ラテ研の受講生を見ていると、こうしたクラスでの交流が頻繁に行われているように感じます。それも一度きりではなく何年も在籍している受講生がいることからこうしたクラスメート間の交流が広く行われているようです。

今回は受講生からのそんなお知らせです。企画は伊高講師のクラスの生徒たちですが全てのクラスの受講生が対象だそうです。積極的に参加して交流を深めてくださいね。

Fiesta Latina
伊高先生クラス  前期懇親会
日時:6月28日(土)  午後5時半スタート 8時半まで
会場:Ambe Cuatro

東京メトロ 千代田線  赤坂5a 出口  徒歩2分
東京都港区赤坂2-15-12  パール赤坂B1F
03-3585-0065  会費:¥4000  
Free Beer & Coke + One Mexican Tacos Plate for each
飲み物・CD持込OK

お申し込みは今週土曜日の伊高クラスまで・・・(14:50~16:20)
21日以降はラテ研までメールでお問合せください。

2008年6月14日土曜日

林みどり先生からのお知らせ(コルタサル)


「ラテ研の先生方の授業が聞きた~い!」
ときどき受講生からのこうした希望を耳にします。

そんな期待に応えて、ラテ研所員の林みどり先生の講演会をご紹介いたします。

今年は内田先生のラテンアメリカ文学もコルタサルがテーマ。野谷文昭先生の『愛しのグレンダ』の出版。そして近々セルバンテス文化センターでのコルタサル展示会などちょっとしたコルタサル・ブーム。特にコルタサルに関心のある方へのご紹介です。

林先生よりメッセージ
「ラテンアメリカに特化したワークショップではないのですが、 とりあえず私がコルタサルをネタに(!)しゃべくります。」だそうです。

ワークショップ:
「郊外(sub-urbia)」と「暴力」――パリ・プラハ・ブエノ スアイレス──

日時:2008年7月5日(土) 14:00~18:00

場所:立教大学池袋キャンパス5号館3階5301教室

報告者:

昼間 賢(早稲田大学)「マリー・ンディアイの「郊外的」な小説――外部で も内部でもない場所を生き延びること」

阿部賢一(武蔵大学)「終着駅を求めて――往還する〈ロマ〉」

林みどり(立教大学)「21世紀の口──フリオ・コルタサル再読」

コメンテータ:西谷 修(東京外国語大学) 林 浩平(恵泉女学園大学)
司会:澤田直(立教大学)

主催:日本学術振興会 「人文・社会科学振興のためのプロジェクト」研究領域 V-1
「伝統と越境――とどまる力と越え行く流れのインタラクション」
(プロジェクトリーダー: 沼野充義・東京大学)
第2グループ 「越境と多文化」 (代表者: 楯岡求美・神戸大学)

知のワンダーランド


8号館前に並ぶ移動掲示板

ラテンアメリカ研究所の職員として立教大学で働くようになって1年半ほどたちました。最初に立教大学に足を踏み入れたとき、立教大学は「知のワンダーランド」だなという印象を受けました。正門、5号館前、8号館前にはたくさんの、いわゆるタテカンバン(移動掲示板)がたくさん並んでいます。

受講生たちはラテンアメリカ研究所主催のものだけではなく他の研究所や大学主催の講演会にも足を運んでいるようです。ラテンアメリカ研究所主催ではなくてもラテンアメリカをテーマにした講演会は数多く行われているようです。こうした移動掲示板や大学のHPで関心のある講演会を見つけて参加するのも大学で学ぶ楽しみの一つです。

2008年6月13日金曜日

ホンジュラス便り

ホンジュラスの元ラテ研職員Wさんからお便りが届きました。

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 今回のテーマはカーニバルです!

 ホンジュラスの北部、カリブ海岸沿いのラ・セイバ市で、毎年恒例のカーニバルが開催されました。ラ・セイバ市のカーニバルは中米有数のイベントで、パレードは1日だけですが、その1ヶ月ほど前から周辺の町や村で地元の“Carnavalito”(小さなカーニバル)が開かれ、街全体がお祭ムードに包まれます。
 この国際的行事に、日本のボランティアが文化紹介をする伝統が20年も続いています。そしてヒマそうに見えたのか(?)私が調整役の一人に指名され、約3ヶ月の準備期間を経て、80人近い日本軍団とともにラ・セイバに乗り込みました。

 5月のホンジュラスは一年を通じて最も暑い時期です。おりしも今年は雨季の到来が遅く、普段カラリとした気候の首都テグシガルパでさえ粘り気のある暑さが肌にまとわりついていました。カリブからの海風を受けるラ・セイバは、普段からかなり高温多湿な地域ですから覚悟はしていましたが、車を降りた途端にすべてを溶かすような気だるい熱気が全身を包み、立っているだけで顔から背中から汗が流れていきました。

 日本チームの出番は、前夜祭のステージと当日のパレードです。
 前夜祭では歌に踊りにと2時間のステージを盛りだくさんのプログラムで飾りました。和太鼓や琴といった和楽器演奏、ソーラン節やエイサー、剣道に合気道の実演、コメディーチックな浦島太郎の上演まで多岐に渡りました。もちろんボランティア活動の紹介も欠かせません。今年は日本とホンジュラスの融合をキーワードに、ホンジュラスの歌や踊りも取り入れて、観客の注目を集めていました。ボランティアにはもともと芸達者が多いうえに、お互いに持っている芸を教えあうので、ますます芸の道に磨きがかかっていきます。「本業」が何か時々わからなくなってしまうほどです。
 そしていよいよパレード当日。カーニバルといえばリオデジャネイロが世界的に有名ですが、ラ・セイバのカーニバルもリオと同様に各団体が山車を作り、ダンサーはお揃いの衣装で大通りを練り歩きます。

 先頭はハーレーダビットソンの集団でした。何十台ものきらびやかなバイクが誇らしげにエンジンを吹かせます。そして次にはレトロな馬たち。まだほんの少年もまるで自分の手足のように馬を乗りこなし、颯爽と駆け抜けていきます。

今年の日本チームの目玉は、お神輿でした。木工を専門とするボランティアが何ヶ月もかけて作り上げた本格的なお神輿です。重さにして200キロ以上。首都から6時間も車で運ぶ苦労もさることながら、これだけの重さをこの暑さの中で果たして担げるのかと気が気ではありませんでした。しかしいざ始まってみればそれは取り越し苦労だったようで、ラ・セイバで活動する日本人ボランティアの呼びかけにより多くのホンジュラス人サポーターが駆けつけてくれて、見事にお神輿が担ぎ上げられ、ワッショイワッショイと大通りを練り歩きました。これこそホンジュラスと日本の融合という感動的なシーンでした。

いやはや、それにしても暑かった!!
1年分の汗をかき、不要なダイエットまでしてしまいました。(完)

2008年6月6日金曜日

野谷文昭先生からのお便り


シンポジウム『世界の文学とラテンアメリカ』
現代文芸論研究室のHPはこちら

ラテンアメリカ講座に関するアンケートを行うと必ず「野谷先生の授業が聴きたい」という希望があります。今日は元ラテ研所長の野谷先生からのお誘いです。

今年の4月から東京大学大学院でラテンアメリカ文学を講じていらっしゃる野谷先生の所属する現代文芸論研究室が主催するシンポジウムです。

シンポジウム:『世界の文学とラテンアメリカ』
日時:2008年6月29日(日)15時~17時30分
場所:法文2号館1番大教室(東大本郷キャンパス)
演者:桜庭 一樹(作家)、野谷文昭(ラテンアメリカ文学)、柴田元幸(アメリカ文学)、沼野充義(ロシア東欧文学)

始まってからだと教室に入れなくなるかもしれない・・とのことで、あえてあまり広報はしないそうです。このブログへの掲載はラテ研の受講生のために野谷先生に特別にご許可いただています。

2008年6月4日水曜日

!!お知らせ!!

以前にお知らせしたように、現在立教大学では新サーバーへ移行しています。
立教大学を「お気に入り」入れている方は、以前のアドレスから直接新HPへジャンプしていると思います。ところが、新大学HPへこれまでアップしたものを更新できない状況が続いています。

一度は7月の講演会情報をアップしたのですが、また5月17日段階のHPに戻っています。
従って、しばらく新しい情報はこのブログでしか更新できない状況が続くかもしれません。

申し訳ありませんが、しばらくの間ブログで新情報をチェックしてください。
HPが更新できるようになったら、こちらでも告知いたします。

講演会「ラテンアメリカ先住民族女性の状況」

もうひとつ、講演会のお知らせです。
『ラテンアメリカ先住民族女性の状況―「先住民族サミット」アイヌモシリ2008報告会 ―』

こちらも司会は伊高 浩昭ラテンアメリカ講座講師です。
今回は珍しく中米からのゲストです。

お一人は、グアテマラからのロサリーナ・トゥユク氏 。この方は、 マヤ・カクチケル女性。コナビグア(連れあいを奪われた女性たちの会)共同代表。元国会議員(1997-2000)。グアテマラ内戦期から、人権侵害の告発、強制徴兵反対運動、先住民族及び先住民族女性の権利の確立のために闘い、内戦期の真相究明活動や補償問題にも取り組んでいます。

もう一人はニカラグアからの、ミスキート女性、ロス・カニンガム氏 です。ワンキ・タグニ(ニカラグア大西洋岸のミスキート先住民族組織)代表。ニカラグア内戦中から和平と民族和解の活動、先住民族女性のエンパワメントの活動を行う。北京女性会議をきっかけに創設された国際先住民族女性フォーラム(FIMI)の創設メンバーです。
   

日時: 2008年7月7日(月)18:30~20:30     
会場: 立教大学池袋キャンパス 8号館8202教室

今回の主催は、日本ラテンアメリカ協力ネットワーク
(E-mail recom@jca.apc.org)HP http://www.jca.apc.org/recom/
伊高講師が機関誌である「そんりさ」に寄稿しています。

ニカラグア大使講演会(Conferencia del Embajador de Nicaragua)

ニカラグア大使講演会のお知らせです。

毎年恒例のラテンアメリカ論IIの特別授業、伊高講師のクラスの大使講演会です。今年はニカラグア大使をお迎えして行います。

ニカラグアは米国主導の米国・中米・ドミニカ共和国自由貿易協定(CAFTA-RD)と、ラ米左翼の米州ボリーバル主義代替統合構想(ALBA)の両方に加盟する国です。今後のラテンアメリカのあり方を知る非常に価値ある講演会となるはずです。

また、ラテンアメリカのスペイン語を学んでいても、メキシコやアルゼンチンのスペイン語に触れる機会は多くても、中米のスペイン語に触れるのは初めてという方もいるのではありませんか?

こうしたスペイン語に触れるのも楽しみですね。今回はスペイン語逐次通訳つき。実は今回の通訳には国内トップ通訳者にお願いしました。この方の通訳技術を逐次通訳で学べるという、めったにない機会です。

日時:2008年7月5日(土) 14:45~17:30 
場所:立教大学池袋キャンパス 5号館 5122教室
講師: サウル・アラナ・カステジョン・ニカラグア共和国特命全権大使
司会: 伊高 浩昭(ジャーナリスト、ラテンアメリカ講座講師)
スペイン語 - 逐次通訳つき
演題:現代ニカラグア情勢 ―復活したサンディニスタ政権の政策と課題―
講演会の前半は、ニカラグア大使に語っていただきます。
後半はニカラグア大使と伊高講師との対談形式で参加者の質問に丁寧に答えていきます。

2008年6月2日月曜日

アルゼンチン便り

ラテンアメリカ研究所の元職員Wさんよりお手紙が届きました。
今回はアルゼンチンからのお便りです。

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5月初旬に休暇を取って日本のちょうど裏側のアルゼンチンを訪れました。

アルゼンチンは私にとって一番かかわりが深く、今や第二の故郷とさえ思っている国です。
最後に訪問したのはほぼ10年前。ほんのちょっとご無沙汰しているつもりでしたが、気がつけば一昔前になっていました。

首都のブエノス・アイレス到着は早朝6時。ちょうど日本と季節が逆なので、アルゼンチンは秋が深まってきていました。まだ暗闇のなかで、吐く息が白く浮かびあがります。

久しぶりの空港は見違えるほど美しくなり、空港から中心部に向かう道の状態のよさや広さ、ずらりと並ぶ料金所、マンションの多さに圧倒されました。10年近い時の流れに加えて、ホンジュラスに1年ちょっと住んでいるうちに自分の物差しがホンジュラス基準になっていたようで、大都会ブエノス・アイレスに「別世界みたい・・・」とびっくりしてしまいました。

街を歩いていても、おしゃれなカフェがいたるところにあり、道行く人々も洗練された着こなしで颯爽と歩いています。物も豊かで、汽車、地下鉄、バス網も発達しています(やっぱり私が相当「ホンジュラス化」していますね)。

滞在した1週間、毎日のように旧友と再会し、この10年の空白を埋めるべくお互いのこれまでの出来事を語り合いました。

かつてのプレイボーイは3児の父として奮闘中、浮いた噂のなかった堅物もいよいよ婚約、そうかと思えばお世話になった人が脳卒中で亡くなったり、昔の教え子が若くして病気で帰らぬ人になっていました。一方で、ご存命かどうか気がかりだった方が、電話口からお元気そうな声を聞かせてくれて、ほっと一安心する場面もありました。

アルゼンチンは2001年末に経済危機を迎えました。私がかつて滞在していた頃は1ドル=1ペソの固定相場だったのですが、実際にはペソはそれほど強くなかったため、そのしわ寄せがだんだん広がり、抑えきれなくなりました。ついに破綻となった時に、政府が銀行預金を凍結したため、コツコツと貯めたお金を引き出せなくなった国民は、大混乱に陥りました。特に、長年かけて貯めた貯金で老後を過ごそうと思っていたお年よりの精神的ダメージが大きく、心の病にかかったり、命を落とした人も少なくなかったそうです。

私が今回会った知人の中にも、経済危機後の激しいストレスで家族を失った方がいました。まだ働き盛りで、お子さんは育ち盛りでした。ご本人も悔しかったでしょうし、経済危機の最中に大黒柱を失った家族はどれほど大変だっただろうかと、想像するだけでも胸が痛みます。また、この時期たくさんの人が職を失いましたが、友人の中には結婚して子どもが授かった途端に勤務先から解雇を命じられ、途方に暮れた人もいました。

けれども、それ以上に驚いたのは、そんな苦労を重ねた人たちが昔と全く変わらない笑顔で私を出迎えてくれ、つらかった出来事を淡々と話しながら、でも今は元気だよと言ってくれたことです。日本のように政治的にも経済的にも比較的安定した社会にいると、何もないことが当たり前になってしまうのですが、「何十年かに一度、すべてをひっくり返すようなことが起きる」アルゼンチンに住む人たちは、本当にタフで底力があります。きっとそうでなければ、アルゼンチンのような激動の社会を生き延びられないのでしょう。苦労を重ねた人ほど他人に優しいといいますが、友人たちの手厚いもてなしや、またいつでもおいでと見送ってくれる優しさに、これまでの苦労の多さ、心痛の深さと、人間としての懐の大きさを感じました。

さて、アルゼンチンといえばタンゴ、ワイン、それにアサード(牛肉の炭火焼)です。

タンゴショーで息もつかせぬほどの細かく激しいステップと、セクシーでいながらアクロバティックなダンスを堪能し、友人には美味しい牛肉の手料理をご馳走になったり、アサードのお店に連れて行ってもらったりしました。日本では軟らかいことがよい肉の条件になっていますが、アルゼンチンの牛肉はそれなりの歯ごたえがあり、塩コショウというシンプルな味付けながら、噛めば噛むほどよい味が出てきます。久々にアサードを食べて、これこそ肉の王道だと心底思いました。この美味しさは言葉では表現できません。みなさん、ぜひ本場アルゼンチンで牛肉を味わってみてください。

10年ぶりのブエノス・アイレスは、見違えるほど都会になっていましたが、歴史的建造物や独自の文化、人々の優しさは変わらず残っていました。第二の故郷としてまたきっと訪れることを心に誓いながら、帰途に着きました。

Hasta pronto, Buenos Aires.

ラテンアメリカ研究所  元職員 Wより

2008年5月28日水曜日

受講生セミナー


‐池袋キャンパスのシャクヤクの花も見ごろです‐

今年の受講生セミナーは・・・・

6月21日(土) 16:45から  立教大学池袋キャンパス 8304教室にて

*中井扶美子氏(海外日系人協会勤務)による「南米日系社会の日本語教育」

*鈴木美香氏(国際研修協力機構勤務)による「キューバ系アメリカ人―亡命者から政治的圧力集団となったラティーノ」

受講生が発表するセミナーということで、学生の卒論発表会のようなイメージを思い浮かべる人も多いのではないでしょうか?

ラテンアメリカ講座に集まる受講生の95%は社会人であり、そのうちの多くはラテンアメリカ滞在経験があります。そして実際にラテンアメリカに関連する仕事に就いている人も数多くいます。そうした方々に発表をしてもらうのが受講生セミナーです。

受講生に発表の場を与える・・・のがこのセミナーの目的ですが、ラテンアメリカの専門家揃いの受講生たちからの仲間としての温かい批評、感想を受けることができるという意味もあるようです。

このセミナーの情報は連絡可能なこれまでの受講生すべてに通知が行く事です。1000人を超すラテンアメリカ講座の受講生のうち600人以上にハガキを送っています。もちろんいろいろな大学や諸機関にも送るのですが・・・

ラテンアメリカ研究所の諸活動のうちすべての受講生に連絡をするのはこのセミナーだけなのです。
そのうち、この日をラテ研OB会の日と指定しても良いかもしれませんね。