20世紀の巨匠サルバドール・ダリ(1904–1989)は、スペイン、カタルーニャ州フィゲラスに生まれ、1920年代末にパリのシュルレアリスム運動に参加し、造形芸術に新たな局面を開きます。見る者に強烈な印象を与えるダリの絵画は、やがてヨーロッパのみならず世界的に知られるようになります。ダリの生誕120周年、シュルレアリスム宣言100年の記念すべき節目に開催する本展は、日本を代表するダリのコレクションを形成する諸橋近代美術館の所蔵品を中心として、ダリの生涯を概観し、ダリの渡米以降の活動にも注目します。ダリが私たち観衆に魅せた「シュルレアリスト・ダリ」とその背景にある「人間・ダリ」の複雑で繊細な内面を探り、世界中で愛されているダリがいかなる芸術家であったのか、ダリの油彩、素描、版画、彫刻の他、ミロやマグリットなどシュルレアリスムの作家の作品などから、ダリの多様な側面を明らかにいたします。