2009年4月8日水曜日

ガルシア=マルケスが「書くこと」を強調

寄稿  伊高浩昭(ジャーナリスト)

 コロンビアの作家ガブリエル・ガルシア=マルケス(81歳、愛称ガボ)は、同国の有力紙エル・ティエンポの電話インタビューに応じて、「唯一確かなのは、私には書くこと以外にすることがないということだ」と語った。同紙日曜版(4月5日付)が報じた。

 この新聞がメキシコ市在住のガボに質問したのは、ガボに近い出版関係者やガボの伝記作家らが最近、「ガボが新たに小説本を書くことはなさそうだ」と相次いで口にしたことから、本人の真意を確かめるためだった。ガボは、筆はまだ捨てないと示唆したわけだ。

 ガボは、「本を書く」という点について、「私の仕事は書くことであって、出版することではない」と、やや皮肉を込めて答えている。

 2004年に世に出た『私の哀れな売春婦たちの思い出』が最新作として知られるが、未発表の作品があってもおかしくないし、新たな執筆に挑戦するのも自然なことだ。今回の発言で、ガボの愛読者には楽しみができた。

(了)