2011年4月1日金曜日

波路はるかに~伊高先生の船上便り(15)

PBオセアニック号は3月30日、アデン湾からインド洋本洋に入った。1800時過ぎ、警護の役割を終えた海上自衛隊の駆逐艦2隻は、ピースボートを含め計9隻の護衛対象の船団を離れた。船団も解散した。船はインド洋中北部を横断し、印度のコーチンに向かっている。


3月29日夕刻には、明らかに海賊船と見られる高速船外機付きの小舟が自衛艦の周囲を、出方を確かめるように旋回し、自衛艦と搭載ヘリコプターによる追跡を避け、去っていった。乗客の何人かが目撃し、小舟を望遠レンズで撮影した。後でこの船影の写真を見せてもらったが、貴重な現場写真だ。自衛艦が数多くの証拠写真を撮影しているのは疑いない。

インド洋本洋は湖水のように静かで、波がない。本船が立てる波にイルカたちが盛んに波乗りを楽しんでいた。31日の海も静かで波がない。何処の海にせよ、こんな波のないおとなしい大海原に遭遇するのは稀だ。雲ひとつない青空は、夜は星の海になる。横浜帰着まで2週間あまりとなった。2011年3月31日

インド洋上にて 伊高浩昭